【講義】実践研究Ⅱ (2024年度)
Ⅰ はじめに
デジタルアーカイブは,さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである.このデジタルアーカイブは,わが国の知識基盤社会を支えるものであり,デジタルアーカイブ学会でも,デジタルアーカイブ立国に向けて「デジタルアーカイブ基盤基本法(仮称)」などの法整備への政策提言を積極的に行っている.今後,知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている.ここでは,デジタルアーキビストの学術的な基礎として,地域資源デジタルアーカイブに関する手法やデジタルアーカイブの課題を実践的に学ぶ.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は講座とスクーリングに分かれて学修する。スクーリングは、実践的にデジタルアーカイブし記録管理を体験することになる。
・事前課題と事後課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるために主体的に研究課題を考えることが重要である.
Ⅲ 授業の教育目標
本科目は講座とスクーリングにより構成されている。講座では、各地域の問題意識や課題を明確にし、デジタルアーカイブを計画する。また、実際にスクーリングでは研究計画を立て、調査をし、デジタルアーカイブする、その後記録したデータを管理し、公開するまでを学ぶ。
【事前課題】 各地域の問題意識や課題を明確にし、デジタルアーカイブを計画する
1.何を学ぶか
地域の関心領域における問題意識、課題などを取り上げ、明確化し、デジタルアーカイブの計画を立てる。明確化する過程で、参考文献を読み、地域に関する一定程度の知識を獲得しておく。
2.学習到達目標
① 地域における問題意識や課題を明確化する。
② 地域における問題意識や課題をもとに「デジタルアーカイブ」を計画する。
3.研究課題
下記の①と②のいずれかを選んで提出する。
① 郡上白山文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する
(例) 白山比咩神社、白山長滝神社など
② 沖縄文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する。
(例) 首里城のデジタルアーカイブ
また、現地実践演習については、上記課題の内容のいずれかを選んで受講すること。
(前期)【現地実践演習】 郡上白山文化遺産デジタルアーカイブ(台風のため休講)
1.何を学ぶか
【事前課題】で行った地域の問題意識や課題の明確化し、課題解決にふさわしい場所を選択する。
【現地実践演習】については、スクーリングで行う。
スクーリングでは、【事前課題】で計画した場所のデジタルアーカイブを実施する。
2.学習到達目標
デジタルアーカイブの手法を具体的に実施し、Webで公開する手法を学ぶ。
3.プログラム
授 業:「実践研究Ⅱ」(2単位)
日 程:令和6年 8月31日(土)~9月1日(日)
会 場:郡上市歴史資料館 〒501-4211 岐阜県郡上市八幡町中坪226-1 電話番号 0575-65-3711 メール rekishi@city.gujo.lg.jp
3.日 程
8月31日(土)
会 場:郡上市歴史資料館 2F 会議室集合(13:00)
13:10~14:40 講 演:デジタルアーカイブと郡上市歴史資料館
講師:郡上市歴史資料館・学芸員 安江範泰氏
14:50~15:50 講 演:郡上白山文化とその遺産について
講師:白山文化博物館・学芸員 鈴木雅士氏
16:00~17:00
講 演:郡上白山文化と郡上市内の史跡について
講師:郡上ケーブルテレビ放送センター・社長 稲葉秀章氏
19:00~20:00 郡上踊
郡上踊りに関する解説と見学
解説:稲葉秀章氏
9月1日(日)10:00~12:00
郡上白山文化遺産デジタルアーカイブ実践実習
※各自で事前課題で予定を立てていただいた行程に基づいてデジタルアーカイブしてください。
郡上白山文化遺産デジタルアーカイブを作成して事後レポートとして提出していただきます。
10:00 郡上市歴史資料館 集合
4.資 料
2.【研究】郡上白山文化における御師の歴史的役割の研究 ~石徹白地域における御師と現代の観光とのつながり~
(後期)【現地実践演習】 沖縄文化遺産デジタルアーカイブ
1.何を学ぶか
【事前課題】で行った地域の問題意識や課題の明確化し、課題解決にふさわしい場所を選択する。
【現地実践演習】については、スクーリングで行う。スクーリングでは、【事前課題】で計画した場所のデジタルアーカイブを実施する。
2.学習到達目標
デジタルアーカイブの手法を具体的に実施し、Webで公開する手法を学ぶ。
3.プログラム
授 業:「実践研究Ⅱ」(2単位)
日 程:令和7年 1月25日(土)~26日(日)
会 場:岐阜女子大学沖縄サテライト校並びに那覇市内
日 程:
1月25日(土)13:00~17:00 テーマ:【沖縄の文化とデジタルアーカイブ】
会場:岐阜女子大学沖縄サテライト校(沖縄女子短期大学 2F )
12:30 集合
13:00-13:10 ガイダンス
13:10-14:50 与那原町のデジタルアーカイブの開発と課題(仮)
(講師)講師 与那原町役場 宮城氏
15:00-16:40 軽便鉄道と与那原町の歴史(仮)
(講師)与那原町立軽便与那原駅舎展示資料館・学芸員
16:50-17:30 事務連絡(翌日の予定説明)
懇親会(19:00)
懇親会を開催<希望者のみ>
会場:燕郷房(ヤンキョウファン)
沖縄県那覇市泉崎1-11-3
℡ 098-862-0011
会費:4,950円(税込)(飲食代は個人負担)
1月26日(日)9:00〜14:00
現地実習:与那原町内の歴史・文化にもとづく地のデジタルアーカイブ 等
9:30 集合(沖縄女子短期大学)
徒歩で現地移動(20分程度)
10:00~ 軽便与那原駅舎 展示資料館 見学
(入館料100円)
11:30~ 与那原大綱曳資料館 見学
(入館無料)
(前日の講義で紹介された施設・史跡等を各自で撮影)
【留意事項】
各自デジタルカメラをご持参ください。
<レンタカーを借りる方へ>
与那原町は駐車場が少ないため、沖縄女子短期大学の駐車場に車を駐車してください。
現地集合・現地解散
受付時に、事前課題を提出してください、(事前に郵送等による提出済の方を除く)
【事前課題】
旅費・宿泊費・入館料・レンタカー代、食事代等については自己負担です。
徒歩移動や踊りがありますので、動きやすい服装でご参加ください。
【事後課題】
① 撮影記録報告書の作成
② 撮影箇所のメタデータの作成
※フォーマット指定あり
*提出物について
・26日の撮影記録報告書
・撮影記録報告書に記載の撮影地のメタデータ
*提出期限について
スクーリング終了後、2週間を目途に提出
*課題について
不明点は加藤先生にサイボウズでご連絡ください。
資料
【授業】人工知能(AI)特講
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
Ⅰ はじめに
本講座では、コンピュータの歴史を振り返り、人工知能(AI)の誕生から現在までの進化を解説します。また、AIが今後どのように教育に活用されるのかについて、展望します。
今日のトランスフォーマー革命は機械翻訳の精度を大幅に向上させ、生成AIを誕生させました。生成AI(ChatGPTやGemini等)はAIが人間のような会話を生成できる技術です。
今後必要となるのはAI倫理です。正確無比のデジタルアーカイブとAIの両者の一体化と、その活用の仕方が未来の課題だということを理解します。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
本講座の目的は、AIの過去・現在・未来について幅広く学ぶことです。教育にAIがどのように活用されるのか、AIと共生する未来を生き抜くための教育とは何かについて、考察する機会を提供することをねらっています。
Ⅲ 授業の教育目標
① デジタル社会の「読み書きそろばん」として必須となるAIを理解する。
② AIはコンピュータの発展と密接な関係があることを理解する。
③ AIのデジタルアーカイブとAI文化を理解する。
第1講 AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化
1.何を学ぶか
AI時代の教育「人工知能(AI)の過去・現在・未来」の講座を通して、コンピュータの歴史とAI時代を生きる哲学について学んでいきます。
三浦謙一博士の紹介による「米国シリコンバレーのコンピュータ歴史博物館が語るAI文化」からAIの過去・現在・未来を理解します。
2.学修到達目標
① コンピュータ歴史博物館が語るAI文化について説明できる。
② AI誕生からシンギュラリティにいたるAIの過去・現在・未来を説明できる。
③ 何をどのように学び、如何に自分の資質・能力をアップグレードするかについて考えることができる。
3.課題
① 結婚相手を探す時に信用するのはAIが選んだ人ですかそれとも親が選んだ人ですか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化
5.動画資料
6.テキスト
第2講 知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦
1.何を学ぶか
AI時代の教育「人工知能(AI)の過去現在未来」の講座を通して、コンピュータの歴史とAI時代を生きる哲学について学んでいきます。
内容は「知能の迷宮を解き明かすー暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦」です。
アラン・チュリーング(A. M. Turing)が解読不能と言われた「エニグマ」暗号の解読に成功し、汎用コンピュータの誕生やチューリングテストを経て、ダートマス会議で「人工知能(AI)」という言葉が誕生したことを理解します。
2.学修到達目標
① アラン・チュリーングの暗号解読とチューリングテストについて説明できる。
② 汎用コンピュータとAI誕生とについて事例を挙げて説明できる。
③ 日本のコンピュータと日本のAIについて考えることができる。
3.課題
① 貴方はAIの教師と人間の教師どちらから学びますか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦
5.動画資料
6.テキスト
第3講 知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏
1.何を学ぶか
第2次AIブーム「知識の時代」の代表的な研究成果である第五世代コンピュータプロジェクト、 知識表現形式、機械翻訳、エキスパートシステムを学び、知識(暗黙知)獲得の問題を理解します。
2.学修到達目標
① 第五世代コンピュータプロジェクトを説明できる。
② 知識表現形式、機械翻訳、エキスパートシステムについて事例を挙げて説明できる。
③ 知識(暗黙知)獲得の問題について考えることができる。
3.課題
① AI搭載の自動運転の車は、信号無視で突然歩行者が飛び出した時、壁に激突してでも歩行者を救うべきか、それとも歩行者を犠牲にしてドライバーの命を救うべきか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏
5.動画資料
6.テキスト
第4講 人間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域
1.何を学ぶか
「コンピュータが目を持つ」という大変ワクワクするような講座です。「人間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域」というテーマです。
今回の狙いは、第3次Alブームでは「深層学習(ディープラーニング)」がAIを大きく変えました。具体的には、コンピュータが目を持つようになる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等の登場について理解します。
2.学修到達目標
① 3つの機械学習(教師あり/教師なし/強化学習)を説明できる。
② 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)について事例を挙げて説明できる。
③ リカレントニユーラルネットワーク (RNN)について事例を挙げて説明できる。
3.課題
① 人間の医師とAI手術ロボット、どちらに命を預ける?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
人間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域
5.動画資料
6.テキスト
第5講 シンギュラリティの扉を叩け
1.何を学ぶか
AIが人間を超える「シンギュラリティ」という大変ドキドキするような講座です。「シンギュラリティの扉を叩け-AIが覆す人間の世界チャンピオン」というテーマです。
狙いは、データサイエンスとDX、探索と推論、チェスコンピュータの開発、AI時代のバックギャモンと将棋・囲碁の順にお話ししてまいります。最近のDXやデータサイエンスの背景には、バックギャモンやチェス等の中心的な例題があり、多くの探索アルゴリズムや並列計算技術など広く普及している技術が生み出されていることを理解いたします。
2.学修到達目標
① DXやデータサイエンスの背景を説明できる。
② バックギャモンやチェス等の中心的な例題がAI技術をけん引したことを説明できる。
③ 多くの探索アルゴリズムや並列計算技術などが生み出されたことを説明できる。
3.課題
① AIを使って何をすれば生産性を倍増し、国際競争に勝てるか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第6講 機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化
1.何を学ぶか
トランスフォーマー革命は、生成AI(ChatGPT、Gemini等)を誕生させました。生成AIは人間のような会話を生成できる技術です。その技術が、機械翻訳精度の向上、産業、医療領域や農業等に応用されていることを理解します。
2.学修到達目標
① トランスフォーマー革命が生成AIを誕生させたことを説明できる。
② トランスフォーマー革命により機械翻訳精度が向上したことを説明できる。
③ AIが産業、医療や農業等に応用されていることについて事例を挙げて説明できる。
3.課題
① AIが作った小説、論文、楽曲やプログラム等の著作権はAIにあるか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化
5.動画資料
6.テキスト
第7講 AIの過去・現在・未来 - 未来への飛翔 –
1.何を学ぶか
日本のAI戦略は教育から始まること、教育に利用される生成AI、重要なAI事例である自動運転自動車や、世界で話題になっている国際的なAIのルール作り及びその根底にあるAI倫理を理解します。
2.学修到達目標
① 日本のAI戦略は教育から始まることを説明できる。
② 教育に利用される生成AIや自動運転について,事例を挙げて説明できる。
③ 国際的なAIのルール作りとAI倫理について考えることができる。
3.課題
① 自動運転車が引き起した事故は、誰が責任を負うべきか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第8講 人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来
1.何を学ぶか
「人工知能とデジタルアーカイブの一体化が未来のブレークスルー,デジタル文化遺伝子となる」というアイディアについて、「AIとデジタルアーカイブの関係」、「デジタルアーカイブの利活用」、「生成AIの驚異的進化」、「AIとデジタルアーカイブが創る未来」、「デジタル文化遺伝子を目指して」の5つの内容から学びます。
2.学修到達目標
① 生成AIとデジタルアーカイブのそれぞれの機能からみた関係性について説明することができる。
② デジタルアーカイブを活用した人工知能との一体化によってもたらされる新たな可能性とは何か、説明することができる。
③ デジタル文化遺伝子というアイディアについて説明することができる。
3.課題
① デジタル文化遺伝子の重要な役割とは何か、800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第9講 AIと人間の学び
赤堀侃司(東京工業大学名誉教授)
1.何を学ぶか
第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、生成AIを活用する人間の学びに変化が生じています。これからの私たちの学びに必要となる7つの資質能力とAIについて学びます。
2.学修到達目標
① 第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、変化した生成AIの学びについて説明することができる。
② 生成AIの発展により、私たちの学びに求められる7つの資質能力について説明することができる。
3.課題
① 生成AIの進化から、これからの私たち人間の学びに求められる資質能力について説明しなさい.
4.プレゼン資料
プレゼン資料(赤堀先生)
5.動画資料
6.テキスト
7.資 料
1.AIと人間の学び 壁の向こうで答えているのはAIか人か? (単行本)発売日 : 2022/3/31
第10講 人とAIの学習研究から考えるこれからの教育
益川弘如(聖心女子大学教授)
1.何を学ぶか
人はどのように学ぶのか、また、どのようなときに深く学ぶのかという認知科学の知見に基づき,人の学びと人工知能やAIがつくり上げていく知能を比較することで、AIとの共生時代である今、人間としての「価値ある学び」やそれらの活用による私たちの学びの変容について学びます。
2.学修到達目標
① AI時代における「価値ある学び」について説明することができる。
② 人工知能や生成AIを活用した際の人間の学びの変容について説明することができる。
③ 生成AIを活用した具体的な授業事例から、学習観や授業観をとおして私たちの学びの本質を説明することができる。
3.課題
① AI時代における「価値ある学び」とデジタル化された情報との関係について説明しなさい.
② 人工知能や生成AIの効果的な活用と私たちの学びの変容について説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
【公開講座】学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅰ】~教育DX時代における新たな学び~
Ⅰ はじめに
「DX(Digital Transformation)」は,2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念である.その内容は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもので,“進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること”と解釈できる.
ただし,教育DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく,デジタル技術による破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」.すなわち,既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものであると捉えられている.
文部科学省も,この教育DX時代に対応して令和2年12月23日に文部科学省デジタル化推進本部から「文部科学省におけるデジタル化推進プラン」を報告している.ここでは,「・・・ポスト・コロナ期のニューノーマルに的確に対応していくために必要なDXに係る取組を早急かつ一体的に推進していかなければならない局面を迎えている.」とし,次のように4つの具体的な方針を掲げている.
①GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想による1人1台端末の活用をはじめとした学校 教育の充実
②大学におけるデジタル活用の推進
③生涯学習・社会教育におけるデジタル化の推進
④教育データの利活用による,個人の学び,教師の指導・支援の充実, EBPM等の推進
特に,①のGIGAスクール構想については,令和3年3月12日の「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)」において,「文部科学省では,Society 5.0 時代を生きる全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するためには,学校現場における ICT の積極的な活用が不可欠との観点から「GIGA スクール構想」を推進しているところであり,関係各位の御尽力により,本年4月から,全国のほとんどの義務教育段階の学校において,児童生徒の「1人1台端末」及び「高速大容量の通信環境」の下での新しい学びが本格的にスタートする見込みとなっている.」と述べている.また,“新たな学び”について,文部科学大臣がメッセージで,「1人1台端末環境は,もはや令和の時代における学校の「スタンダード」であり,特別なことではない.これまでの我が国の 150 年に及ぶ教育実践の蓄積の上に,最先端の ICT 教育を取り入れ,これまでの実践と ICT とのベストミックスを図っていくことにより,これからの学校教育は劇的に変わる.この“新たな学び”の技術革新は,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり,特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるものである.」と子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む教育 ICT 環境の実現を求めている.ここでは,子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
Ⅲ 授業の教育目標
教育DX(Digital Transformation)時代における“新たな学び”とは,教師がデジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,教職員の業務や組織,プロセス,学校文化を革新し,時代に対応した教育を確立することである.
また,学びという側面から考えてみると教育DXの目的は,「個別最適な学びという“新たな学び”の実現」である.20世紀の学習観は,行動主義・認知主義の学習観を採用していた.しかし,21世紀に入り,学習観は「主体的・対話的な深い学びの実現」という構成主義・社会構成主義の学習観に移行した.
この変化から分かるように,教育が「全員に同じ教育」から「個々が持つ能力を最大限活かす教育」に変化している.また,デジタルツールを学びに活用することで,さらなるクリエイティブな学びの実現もDX時代における“新たな学び”の目的とされている.
政府が設置する教育再生実行会議が2021年6月3日に発表した第12次提言は,教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を鮮明に打ち出した.この提言「ポスト・コロナ期における新たな学びの在り方について」の中で「データ駆動型の教育への転換」が必要とし,教育データの利活用や対面授業とオンライン授業のハイブリッド化などを促している.ここでは,これらの教育のDX時代における “新たな学び”の在り方について考える.
Ⅳ 学校DX戦略コーディネータとは
学校DX戦略コーディネータの定義
“学校DX戦略コーディネータ”は、学校や教育機関においてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の計画、実施、および評価をし、効果的に推進する役割を担う専門家
学校DX戦略コーディネータの主な職務や役割の定義
1.DX戦略の策定: 学校DX戦略コーディネータは、教育機関のデジタルトランスフォーメーションの方向性を決定し、具体的な戦略や目標を策定します。これは、教育プロセスの効率化、生徒の学習体験の向上、教育成果の最大化などを含むことがあります。
2.プロジェクト管理: DXプロジェクトの計画、予算、スケジュール、リソースの調整、および進行状況のモニタリングを担当します。さまざまな関係者と協力して、プロジェクトの成功を確保します。
3.デジタルツールとテクノロジーの導入: 教育分野における最新のデジタルツールやテクノロジーの選定と導入を調整し、教育プロセスや学習環境の向上を促進します。
4.ステークホルダー連携: 学校DX戦略コーディネータは、教師、学生、保護者、教育委員会、地域社会などのステークホルダーと連携し、DX戦略の成功に向けて協力します。
5.データ分析と評価: DXイニシアティブの成果を評価し、データに基づいて戦略の調整や改善を行います。教育成果や効率性の向上を追求します。
6.サイバーセキュリティ: デジタル教育環境においてセキュリティリスクを管理し、生徒のデータやプライバシーを守る役割も担います。
学校DX戦略コーディネータは、教育機関のDXプロセスを効果的に管理し、デジタル技術を活用して教育の品質と効率性を向上させる役割を果たします。
また、教育環境が変化し続ける中で、新しいテクノロジーやベストプラクティスについて常に最新情報を追跡し、戦略を適宜調整する必要があります。
第1講 教育DX時代における新たな学び
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
2.学修到達目標
・教育DX時代の社会の変化について説明できる.
・教育DX時代における新たな学びについて具体例を示して説明できる.
・従来の学びと教育DX時代における“新たな学び”との関係について説明できる.
3.課 題
1.教育DX(Digital Transformation)についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.GIGAスクール構想について,具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
② GIGA スクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)
第2講 21世紀に求められる学力と学習環境
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
21世紀に求められる学力を育む新たな授業と評価について,背景や実践事例を紹介しながら考える.
2.学修到達目標
・21世紀に求められる学力について説明できる.
・資質・能力を引き出す授業の条件を説明できる.
3.課 題
1.知識基盤社会に求められる学力について説明しなさい.
2.21世紀型スキルについて,具体例を挙げて説明しなさい.
3.評価の方法について具体例を挙げて説明しなさい.
4.変容的評価を行う指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
① 社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理(報告書)
第3講 主体的・対話的な深い学びの実現
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
現在決まった答えのないグローバルな課題に対して,大人も子供も含めた重層的なコミュニティの中で,ICTを駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り,交換して考えを深め,統合することで解を見出し,その先の課題を見据える社会へと,社会全体が転換しようとしている.ここでは,その情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える.
2.学修到達目標
・主体的・対話的な深い学びについて具体例を挙げて説明できる.
・アクティブ・ラーニングと主体的・対話的な深い学びについて説明できる.
・主体的・対話的な深い学びについて学習理論を示して説明できる.
3.課 題
1.主体的・対話的な深い学びの視点について,具体例を挙げて説明しなさい.
2.学力観の変遷について具体例を挙げて説明しなさい.
3.主体的.対話的な深い学びを実現するための視点を説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
① 新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ~
第4講 学習目標とその明確化
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
授業の設計の考え方において,1960年代に米国の教育工学研究者のロバート・メーガー (Robert F. Mager)は,次の3つの質問をすることで,授業の目標と評価方法を定めることの重要性について考える.
2.学修到達目標
・ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明できる.
・学習目標とその明確化について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明しなさい.
2.学修目標とその明確化について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
第5講 学習目標のデザイン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
授業設計の最初の段階で行う,学習目標の明確化について説明する.明確な学習目標の設定のあり方と,授業設計の検討すべき内容について考える.
2.学修到達目標
・ブルームの教育目標分類について,行動目標による例を取り上げて説明できる.
・ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明できる.
・明確な学習目標について,具体的な単元において設定できる.
3.課 題
1.ブルームの教育目標分類について,行動目標による例を取り上げて説明しなさい.
2.ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.明確な学習目標について,具体的な単元において設定しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第5講)
5.動画資料
第6講 教えて考えさせる授業の展開
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
小学校理科における児童の映像教材を活用した実験支援方法に関する研究を通じて,“教えて考えさせる授業”の展開について考える.
2.学修到達目標
・“教えて考えさせる授業”について順を追って説明できる.
・”教えて考えさせる授業”への展開について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の処理方法について順を追って説明しなさい.
2.多視点映像教材を使った,教えて考えさせる授業への展開について説明しなさい.
3.マルチアングル映像と多視点映像の違いと特徴を説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第6講)
5.動画資料
第7講 協働的な学びのデザイン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
人は社会的な関わりの中で学び,柔軟な知識を育てていく.このベースとなる考えを知識の社会的構成主義モデル(三宅,2011)と呼んでいる.これは人がもともと持っている他人との相互作用を通して自分自身の考えを少しずつ向上させる能力を顕在化し,その試みを繰り返すことによって人は社会的に賢くなっていくという考え方 (Palincsar & Brown ,1984; Miyake,N ,1986)について考える.
2.学修到達目標
・協働学習の考え方を理解し実際に授業デザインできる.
・ワークショップの手法を5種類説明できる.
・ジグソー学習について説明できる.
3.課 題
1.協働学習の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
2.知識構成型ジグソー法による指導案を作成しなさい.
3.大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)を参考に,知識構成型ジグソー法の教材を作成しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第7講)
5.動画資料
第8講 「教えないで学べる」という新たな学び
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
「インストラクショナルデザイン」や「教えないで学べる」学習環境は,キャロルの学校学習の時間モデルの授業の質を高め,授業理解力を助け,学習機会や学習持続力を高めるための手法であり,学習環境でもある.「教えないで学べる」という“新たな学び”を実現するためには,これらの手法や学習環境を整備することによって実現するものであり,学習者の学ぶ意欲を促し,自律的に継続して学ぶ力をつけていくことについて考える.
2.学修到達目標
・「教えないで学べる」とはどのようなことは具体例を挙げて説明できる.
・「教えないで学べる」という新たな学びの設計ができる.
3.課 題
1.J・B・キャロル(Carroll)の学校学習の時間モデルについて説明しなさい.
2.「教えないで学べる」学習環境について具体的に説明しなさい.
3.「教えないで学べる」授業を実現するための手立てを考えなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第8講)
5.動画資料
第9講 遠隔授業のデザイン手法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
未来社会を見据えて育成すべき資質・能力を育むためのこれら3つの「新たな学び」やそれを実現していくための「新たな学びの空間」を形成するためにICTを効果的に活用することが重要である.さらに,ICTを活用することで,チームとしての学校の経営力を高め,教育の質の向上と教員が子供と向き合う時間的・精神的余裕を確保することにつながる.そこで,ここでは「新たな学び」の一つである遠隔授業の教育利用・研究での課題について考える.
2.学修到達目標
・ハイブリット型授業について具体的に説明できる.
・ハイブリット型授業について授業設計ができる.
3.課 題
1.遠隔教育の変遷について説明しなさい.
2.ハイブリット型授業の3つのパターンについて,具体例を挙げて説明しなさい.
3.ハイブリット型授業を具体的に企画しなさい.
4.ハイブリット型授業の課題について具体例を挙げて説明しなさい.
5.遠隔教育の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
6.遠隔協働学習を企画し,実際にやってみなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第9講)
5.動画資料
6.資料
情報の管理と流通 e-Learningの評価
第10講 自律的なオンライン授業の分析と設計
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
教えない授業を実現するためには,自律的な学習者となることが重要であり,自律的な学習者であれば自律的なオンライン授業が実現する.ここでは,自律的なオンライン授業の分析と設計について考える.
2.学修到達目標
・e-Learningという学習について説明できる.
・授業の効果分析について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.自律的なオンライン研修について,具体的に企画しなさい.
2.研修の効果測定について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第10講)
5.動画資料
第11講 新たな学びと教育リソース
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
日本では1980年代から「自己教育力」が推奨され,「自ら学び自ら考える力」が重視されている.このことは,他律的でなく自律的な学習態度の教育が重要になっている.ここでは,この実践的資質・能力の向上と,「反転授業」での活用を想定した教育リソースの開発について考える.
2.学修到達目標
・「反転授業」について具体例を挙げて説明できる.
・「反転授業」について具体的に授業設計ができる.
3.課 題
1.「反転授業」とその効果と可能性について説明しなさい.
2.「反転授業」の学習展開について具体的に説明しなさい.
3.「反転授業」の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第11講)
5.動画資料
第12講 教育活動をデジタルアーカイブする
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
日本の授業のみならず具体的に諸外国の授業をアーカイブ化し,長期保存を考えデジタルアーカイブ手法による関連教育資料の構成について考える.
2.学修到達目標
・授業分析に必要な教育資料の構成について説明できる.
・授業分析手法について具体的に説明できる.
3.課 題
1.授業分析に必要な教育資料の構成について具体例を挙げて説明しなさい.
2.各授業分析手法について具体的に説明しなさい.
3.授業分析を授業アーカイブプロジェクトの例に倣って,行ってみなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第12講)
5.動画資料
第13講 思考力を高めるための学習プロセスの反応分析
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
新学習指導要領が目指す育成すべき資質・能力を育むためには,学びの量とともに,質や深まりが重要であり,子供たちが「どのように学ぶのか」つまりは,「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆるアクティブ・ラーニング)」が問われているが,主体的・協働的な学びが重要視されている中で,その評価についてはまだ研究が十分になされていない.ここでは,これらの主体的・協働的な学びにおける授業アーカイブとレスポンスアナライザの連携システムによる評価方法について考える.
2.学修到達目標
・レスポンスアナライザについて説明できる.
・レスポンスアナライザの教育利用について具体例を示して説明できる.
・集団反応曲線と集団の特性との関係について説明できる.
3.課 題
1.レスポンスアナライザについてその効果と可能性について説明しなさい.
2.レスポンスアナライザの教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.集団反応曲線について具体的に記録してきなさい.
4.集団反応曲線と発問・応答の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
5.集団反応曲線と集団の特性の関係について説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第13講)
5.動画資料
第14講 高大連携による地域課題探究型学習
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識循環型社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという岐阜女子大学独自の「知的創造サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備をした.このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,地方創成イノベーションの実現と伝統文化産業の振興ならびに新たな観光資源の発掘を行うことができる.また,本研究を地域のフィールドにおける実証検証をするための研究として捉え,解の見えない地域課題の解決をするための地域資源デジタルアーカイブによる地域活性化を考える.
2.学修到達目標
・地域資源デジタルアーカイブについて説明できる.
・地域資源デジタルアーカイブの教育利用について具体例を示して説明できる.
・地域資源デジタルアーカイブと地域課題探求型学習との関係について説明できる.
3.課 題
1.地域資源デジタルアーカイブについてその効果と可能性について説明しなさい.
2.地域資源デジタルアーカイブの教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.地域資源デジタルアーカイブを具体的に企画しなさい.
4.地域資源デジタルアーカイブと地域課題探求型学習の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第14講)
5.動画資料
第15講 「教える」から「学ぶ」への変革
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
行動主義の代表としてはバラス・スキナー(B.F.Skinner),認知主義の代表としてはピアジェ(J,Piaget)の理論を取り上げ,カリキュラム改革運動期における教授・学習論について考える.さらに,構成主義的学習論から社会的構成主義に至る経緯を考える.
2.学修到達目標
・教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる.
・行動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できる.
3.課 題
1.行動主義的学習論と認知主義的学習論,構成主義的学習論に対応した課題(問題)を作成しなさい.
2.GIGAスクール構想における「教える」から「学ぶ」に転換するための工夫について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第15講)
5.動画資料
特別講義Ⅰ
特別講義Ⅰ 教育改革とその思想(小玉重夫氏:東京大学大学院教授)
Ⅳ 総合課題
課題1
第1から第8講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2
第9から第15講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1
解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2
解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
遠隔教育特講(最終版)
遠隔教育特講_表紙
遠隔教育特講_ガイドブック
Ⅷ 参考文献
主にテキストの中に記してある文献が参考になります.
※なお、本講座は大学院科目【遠隔教育特講】の内容と重複しております。
資料
1.【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅰ):学習到達目標
【講義】実践研究Ⅱ (2023年度)
Ⅰ はじめに
デジタルアーカイブは,さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである.このデジタルアーカイブは,わが国の知識基盤社会を支えるものであり,デジタルアーカイブ学会でも,デジタルアーカイブ立国に向けて「デジタルアーカイブ基盤基本法(仮称)」などの法整備への政策提言を積極的に行っている.
今後,知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている.ここでは,デジタルアーキビストの学術的な基礎として,地域資源デジタルアーカイブに関する手法やデジタルアーカイブの課題を実践的に学ぶ.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は講座とスクーリングに分かれて学修する。スクーリングは、実践的にデジタルアーカイブし記録管理を体験することになる。
・事前課題と事後課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるために主体的に研究課題を考えることが重要である.
Ⅲ 授業の教育目標
本科目は講座とスクーリングにより構成されている。講座では、各地域の問題意識や課題を明確にし、デジタルアーカイブを計画する。また、実際にスクーリングでは研究計画を立て、調査をし、デジタルアーカイブする、その後記録したデータを管理し、公開するまでを学ぶ。
【事前課題】 各地域の問題意識や課題を明確にし、デジタルアーカイブを計画する
1.何を学ぶか
地域の関心領域における問題意識、課題などを取り上げ、明確化し、デジタルアーカイブの計画を立てる。明確化する過程で、参考文献を読み、地域に関する一定程度の知識を獲得しておく。
2.学習到達目標
① 地域における問題意識や課題を明確化する。
② 地域における問題意識や課題をもとに「デジタルアーカイブ」を計画する。
3.研究課題
下記の①と②のいずれかを選んで提出する。
① 飛騨高山匠の技文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する
(例) 吉島家・日下部家デジタルアーカイブ
② 沖縄文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する。
(例) 首里城のデジタルアーカイブ
また、現地実践演習については、上記課題の内容のいずれかを選んで受講すること。
(前期)【現地実践演習】 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブの実施
1.何を学ぶか
【事前課題】で行った地域の問題意識や課題の明確化し、課題解決にふさわしい場所を選択する。
【現地実践演習】については、スクーリングで行う。
スクーリングでは、【事前課題】で計画した場所のデジタルアーカイブを実施する。
2.学習到達目標
デジタルアーカイブの手法を具体的に実施し、Webで公開する手法を学ぶ。
3.プログラム
授 業:「実践研究Ⅱ」(2単位)
日 程:令和5年 8月12日(土)~13日(日)
会 場:高山地区並びに飛騨・世界生活文化センター
日 程: 12日(土) 13:30 会場の1階 ウェルカムロビー集合
会 場:飛騨・世界生活文化センター
飛騨・世界生活文化センターには、”さるぼぼバス”が便利です。
(13:00発 高山濃飛バスセンター 13:18着)
14:00~15:00(会議室)
講 演:飛騨高山匠の技とデジタルアーカイブについて
田中彰先生(高山市史編纂専門員・高山歴史研究会会長)
15:00~16:30(飛騨ミュージアム)
飛騨高山匠の技に関する解説と見学
解説:一般財団法人飛騨高山大学連携センター
13日(日)10:00~14:00
飛騨高山匠の技デジタルアーカイブ実践実習(各自)
※各自で事前課題で予定を立てていただいた行程に基づいてデジタルアーカイブしてください。
飛騨高山匠の技デジタルアーカイブを作成して事後レポートとして提出していただきます。
13:30 村半(高山市下二ノ町6 TEL 0577-70-8753) 集合
日程表
実践研究Ⅱ(高山編)
4.資 料
1.映像資料
※飛騨高山匠の技とこころについて、歴史から説明しています。
(後期)【現地実践演習】 沖縄文化遺産デジタルアーカイブの実施
1.何を学ぶか
【事前課題】で行った地域の問題意識や課題の明確化し、課題解決にふさわしい場所を選択する。
【現地実践演習】については、スクーリングで行う。スクーリングでは、【事前課題】で計画した場所のデジタルアーカイブを実施する。
2.学習到達目標
デジタルアーカイブの手法を具体的に実施し、Webで公開する手法を学ぶ。
3.プログラム
授 業:「実践研究Ⅱ」(2単位)
日 程:令和6年 1月13日(土)~14日(日)
会 場:沖縄地区並びに岐阜女子大学沖縄サテライト校
日 程:
13日(土)13:00~17:00
講 演:【沖縄の文化】(仮題)
(沖縄女子短期大学 2F )
12:30 集合
12:50-13:10
□ ガイダンス
13:10-14:40
□ 鎌倉芳太郎の琉球文化研究
(講師)波照間 永吉氏(名桜大学教授)
1950年石垣島生まれ。琉球文学・民俗文化研究者。
琉球大学卒業後、1995年法政大学大学院 人文科学研究科 日本文学専攻博士課程にて博士学位取得。沖縄県立芸術大学教授・付属研究所所長を経て、県立芸大名誉教授。
現在は名桜大学・大学院教授。
主な著書に『南島祭祀歌謡の研究』、共編著書に『沖縄古語大辞典』、『定本 琉球国由来記』、『定本 おもろさうし』、『新編 沖縄の文学』など、他多数あります。
2005年には『鎌倉芳太郎資料集(ノート篇)第1巻(美術・工芸)』(沖縄県立芸術大学附属研究所)、翌2006年には『鎌倉芳太郎資料集(ノート篇)第2巻(民俗・宗教)』(沖縄県立芸術大学附属研究所)を出版されました。また、2007年には『琉球の歴史と文化』を編集されています。
考古学、歴史学、民俗学、言語学など、様々な角度から「沖縄学」を研究されていらっしゃいます。
また、昨年末、2023年度【第51回伊波普猷賞】は、波照間先生の『琉球文学大系1・2おもろさうし上・下』(ゆまに書房)に決定しました。同賞は沖縄学の父といわれる伊波普猷の業績を顕彰し、伊波に続く郷土の文化振興と学術の発展に寄与する研究や著書に贈られます。来月2月に贈呈式・祝賀会が開催されます。
1.映像資料
2.プレゼン資料
3.講演内容
鎌倉(かまくら)芳太郎(よしたろう)の琉球文化研究
波照間(はてるま) 永吉(えいきち)先生
沖縄県立芸術大学名誉教授・名桜大学大学院特任教授
日時:2024年1月13日
会場:岐阜女子大学 沖縄サテライト校
【波照間先生】
ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ
ワンネー ハテルマエイキチ ンディイィルムヌナトーイビーン
ユタサルグトゥ ウニゲーサビラ
これが沖縄の言葉で、ご挨拶申し上げましたけれども。今日のお話とちょっと関わりがあるものですから、皆さんにはちょっとわかりにくい言葉で挨拶申し上げました。「みなさんこんにちは。波照間永吉という者でございます。どうぞよろしくお願いいたします」という意味の言葉でございます。
これがいわゆる琉球語。琉球語といっても、沖縄本島中南部の言葉ですね。琉球語というのは、皆さん、本土から来られたということですので、ちょっとだけお話いたしますと、北は奄美、奄美大島、喜界島から下ってきて、徳之島までを「奄美(あまみ)語(ご)」といいます。そして沖永良部、与論、沖縄本島の北部地区、ここまでを「国頭(くにがみ)語(ご)」といっているんですね。そして、沖縄本島の中南部および周辺の離島をひっくるめた地域の言葉を「沖縄(おきなわ)語(ご)」、そして宮古島を筆頭とした、主なる島とした周辺の島々を含めて「宮古(みやこ)語(ご)」と言っています。そして、さらに南の方に下って石垣島。皆さんもよく、ご存じの竹富島や西表島がある。これらの島々を、島々の言葉を与那国語といいます。ああ、「八重山(やえやま)語(ご)」と言います。そして、一番西の方、台湾に近いところにあるちっちゃな島がありますが、そこの言葉を「与那国(よなぐに)語(ご)」と言っているんですね。
このような6つの言葉があるんですが、これらはいずれもユネスコ(UNESCO)の言うところの消滅の危機に瀕した言語。もうこのままでいきますと、いわゆるメインランドである「日本語」、「本土語」によって、これらの島々、奄美から与那国島の言葉はなくなっていくということで、消滅の危機に瀕した言語、一般に「危機言語」と言われているものです。
今、このように奄美から与那国までの話をしましたが、そういったところに鎌倉芳太郎という人は、大正10年にやってきたというわけですね。つまり、日本語のほとんど通じない世界に飛び込んできて、琉球文化の調査研究に従事したんだというふうにお考えいただきたいと思います。
細部については、これからさらにお話をすることになるかと思いますが、この鎌倉芳太郎という先生のお名前、あまり皆さんお聞きになったことないんじゃないかというふうに思いますが、一番簡単に分かりやすい言葉で言うと、人間国宝なんですね。型絵染(かたえぞめ)という、沖縄で言えば紅型(びんがた)という染物がございます。その紅型などのように、型紙によって反物に絵付をしていく。それが型絵染なんですが、鎌倉先生は60代になってそのことをはじめて、工芸、自分の仕事として取り組込んで、60代からですよ。そして人間国宝になった、そういう人物なんですね。ですから、皆さんも、そういった工芸に関心のある方は、鎌倉先生の名前をいずれどこかでお目にすることになるかと思いますが、しかし、これはあくまでも先生60年以降、60代以降の仕事である。
それ以前は何をしていらっしゃったかということになりますが、それ以前は簡単に言えば学者だったんですね。昭和19年まで東京、現在の東京芸術大学に相当する東京美術学校の先生だったんです。彫刻科の先生です。ただ、彫刻の先生として昭和19年まで東京芸大にいるんですが、その以前に沖縄と出会っているわけですね。
この写真〔写真:円覚寺〕。残念ながら、これは現在、沖縄にございません。沖縄のものです。沖縄にありました。首里城のすぐ北側に円覚寺。皆さんも鎌倉円覚寺(えんがくじ)はよく御存じだと思いますが、字は全く同じ様に書きますが、なぜか沖縄では円覚寺(えんかくじ)というように清音で呼んでおります。1500年代の早い時期に創建された琉球国の第二尚(しょう)氏(し)という王様、王代があるんですが、王統があるんですが、その第二尚氏の第3代目の国王の尚(しょう)真(しん)という王様の時代に作られた大きなお寺だったんです。残念ながら戦争で破壊されて、現在はこの建物はない。ただ、皆さんも、この階段だけは見ることができるんです。石の、手前に石の階段が写っていますね。これが現在も残っております。
なぜこれを出したかと申しますと、じつは私が鎌倉芳太郎という名前を知ったのは、この写真によってです。私は1950年の生まれですので、もう当年73になっているんですが。ご存じのように沖縄戦で、沖縄の、とくに首里の文物は全て破壊されたんです。一木一草、みんな真っ白になった。琉球石灰岩が砲弾を浴びて、粉塵となって、真っ白い粉をあびていた。真っ白だったそうです。これは私の先生でありました仲宗根(なかそね)政(せい)善(ぜん)という非常に有名な先生です。言語学者の仲宗根先生が常々話しておられたことです。戦争が終わった6月23日以降のこの首里は、真っ白な町だった。これは琉球石灰岩の粉塵が白いからですね。その沖縄戦の結果、沖縄の文化を代表する首里城も、そして、今ご覧頂いている円覚寺。そして、もちろんこういった建造物のみならず、様々な文化財も破壊されていたわけですね。
で、1950年生まれと申しました。沖縄のいわゆる日本復帰というのは1972年です。ですので、私が成人をして、物心がついて21、2になっている頃に、日本の復帰という、日本への復帰ということが起こってくるわけです。そうしますと、沖縄の人間は非常に複雑な思いになるわけですね。現在も日本と沖縄の関係、その間に構造的差別があると、差別の存在を今なお引きずっている。そういった、いわゆるメインランドである本土の、それこそ、二千年の歴史に比べた時にですね、沖縄はほぼ一千年ぐらいの歴史です。その沖縄の一千年の歴史が太刀打ちできるかどうか、そういったことを若い私達は考えたんです。
結局、この1879年の琉球処分によって琉球王国が解体して、そして沖縄県となった。これからが、いわゆる近代沖縄の出発なんですが、常に日本との日本本土との関係がさまざまな形で、強者対弱者という、簡単にいえば、そういう状況の中でずっと続いてきたのです。それで、1945年の沖縄戦の後に27年間のアメリカ支配があって、そして日本復帰となるわけですけれども。さあ、はたして私達、この当時120万ぐらいですから、人口が127万ぐらい。それだけの沖縄の人間たちが日本に復帰して、その1879年以降、味わった差別と同じような目にまた遭いやしないかとか、そういった非常に不安な思いが私達を覆っていたのです。
もちろん、政治や経済を含めて、もう大変動です。現在、日本の円がアメリカのドルに対していくらくらいですか。148円ぐらいですよね。ところが、1970年前後までは360円でした。ところが、1972年の復帰の前後には、これが305円まで落ちたんです。そうすると、沖縄の人間たちが持っている1ドルが、かつて日本円の360円に相当したものが、うんと減るわけですよね。55円も減るわけです。1ドルあたり。これは大変なことです。そういったことで、もう沖縄中が動乱のような中にある、騒々しい社会です。そういった中で、まだ若い私などは、本当に沖縄に誇るべき歴史や文化というものがあるものなのかどうなのか、そういったことをしきりに考えていたわけです。
その時の1972年の、確か2月16日から当時の琉球政府立博物館で、鎌倉先生が大正の14年、そして、昭和の2年までに撮影した、「50年前の沖縄」展というのがあったんです。その「50年前の沖縄」展の一番最初の写真がこれだったんです。琉球政府立博物館の1階フロアを通って、展示場は2階でしたので、その2階に上がって行く、階段スロープの踊り場に、踊り場の壁にこれがだんとあったんです。ものすごい大きさです。ほとんど実物を見るかのぐらいの大きさで、この写真があって。私はこれを見て、私だけではないですね、この会場に足を運んだ人たちのほとんどが、恐らくこの写真を見て驚いたはずです。こんなすごいものがあったのか。当然、首里城なぞ何もありませんから。当時はこの写真で、かつての琉球の姿、琉球文化の内実というものを一発どんと見せられた。そのような写真です。で、2階に上がっていって数百点の写真を見ていくことになるわけですが、これらの写真を見ることによって、私たちが「沖縄には何もないんだ、誇るべき文化も歴史も見るべきものは何もない」と思っていたのが、じつはそうじゃない。「かつてこれだけのものを持っていた文化を持ち、そして物を生み出す力を持っていたのがかつての琉球なんだ」ということを知ることになったわけです。それで、私の頭の中には、ずっと鎌倉芳太郎という名前が頭の中に残っているというふうなことがございました。
あと、個人的なことはまた時間がありましたらお話するかも、お話しできるかもしれませんが、鎌倉芳太郎という先生はこのような先生です。〔写真:鎌倉芳太郎〕これはちょうど今、皆さんに見ていただいているこの『沖縄文化の遺宝』という本を執筆するために、ご自分が集めた資料をもとに原稿を書いていらっしゃるところですね。この右側のちっちゃな写真のほう、この反物がございますね。見えますでしょうか。これがいわゆる琉球紅型なんですよね。で、右の方は奥様の静江(しずえ)様で、この方はもともと画家なんです。非常に優れた画家だったらしいのですが、鎌倉先生が型絵染の作家としてスタートするに当って、全て画家としての仕事をせずに鎌倉先生の仕事を手伝ったということです。
右手にある、今、ちょっとカーソルが動いている、これがいわゆる紅型の型紙ということになりますね。で、この反物。これ珍しいんです。鎌倉先生が収集したものです。これは現在、沖縄県立芸術大学の図書資料室に収蔵されております。もらってまいりました。私が個人的にもらったのではないですよ。沖縄県のために寄贈された、そのようなものです。
これが鎌倉先生のお姿ですね。これは玉川大学なのか、あるいは新潟大学の教育学部でも、講師を非常勤の講師をしていらっしゃいましたので、その授業の一コマだと思います。これもご遺族から頂戴した写真です。このような立派な字を書かれる、非常に勢いがありますよね。字もちっちゃく書くんじゃなくて、しっかりと大きく書いていらっしゃる。体も大きかったそうです。で、沖縄にやってくるのは、当時の沖縄県の女子師範学校。それから第一高等女学校という学校の旧制中等学校の教員として、それも図画工作の教員としてやってまいります。で、体が非常に大きくて偉丈夫だったということで、この女子の生徒たちはですね、鎌倉先生のあだなをつけるんです。ニオウブトゥキ、仁王仏というのは、仏像のことです。仁王様のようだと、体が大きくてどっしりとしている、その姿が仁王さんだというんですね。そういった形だったんです。
これは鎌倉先生と奥様のお宅、東京沼袋です。西武池袋線の沼袋駅から歩いて7、8分ぐらいのところに、現在でもこのお宅は残っております。お嫁さんが守っていらっしゃいます。お嫁さんとお孫さんですね。これは恐らく鎌倉先生が人間国宝になって、これからその賞状、認定状をもらいに行く、その時の写真じゃないかと思いますね。これなども執筆しているお姿ですね。
で、鎌倉先生は香川県にお生まれになりました。香川の方はいらっしゃいますか。香川県の三木町というところでお生まれになって、香川の師範学校の図画師範科を出て、そして東京芸術大学の東京美術学校の図画師範科に入られるということですが、この左のほうにある建物が鎌倉先生の生家です。現在はこの建物そのものはございません。これは取り壊されて今、新しい建物になっておりますが、これは非常にいい写真だと思いますのは、この右手にあるのが白山(しらやま)という山なんですよね。で、鎌倉先生。これ非常にこの山を意識していらっしゃる。それは皆さんのレジュメにも確か書いてあると思いますけれども、終生この白山の麓で育ったことが頭にあったらしいということがよくわかります。このレジュメの1ページの上から3行目ほどに「白山に あやにかけたる水車 こをひく音の 昔こほしや」という和歌です。その歌に出てくるように、この白山という山非常にいい、丸いおわんを伏せたような形ですね。香川の方には、こういった山がたくさんあるんですよね。これまた、後ほどご覧いただく、たとえば、今お見せしましょうかね。たとえばこれですね。これ、鎌倉先生の作品です。この山が幾重にも重なっています。その山の形がいかにも香川の山なんですよね。それで「ああ、鎌倉先生、この白山の姿を非常に心にとめてこういった作品にしたのかな」というふうに思ったわけなんですが、じつはこの紅型の型紙そのものは琉球のものです。ただ、色付け、それは鎌倉先生の独創なんですね。非常に奇麗な紅型、型絵染になっておりますが、こういった形で、鎌倉先生がご自分のふるさとをずっと偲んでいらっしゃるということがわかると思います。
で、東京美術学校を卒業して、そして、沖縄、教師になるための図画師範科だったものですから、教員にならなきゃいけないわけですね。で、教員になる。そのときには当然官費で入っているわけですので、当時の文部省が指示するところに行かなきゃいけないわけで、その就職する、いわゆる大学の卒業間際に奈良、京都、とくに奈良のほうに、今風に言えば卒業旅行に行かれるわけです。そこで唐招提寺に行きまして、鑑真像に出会うわけです。鑑真は皆さんご存じですよね。日本で最初のいわゆる仏教、いわゆる僧、仏僧を誕生させるための戒壇院というものを作った。それが鑑真だったわけですが、もともと中国の僧ですが、4回も渡航に失敗して、そして5度目に日本にやってくる。しかし、ついにはこの難行のために盲い、光を失うという、そのような人物ですよね。非常に感動的な、日本仏教のための非常に重要な人物で、私なども若い頃、皆さん、井上靖という作家をご存知ですか。井上靖さんの『天平(てんぴょう)の甍(いらか)』という、非常に美しい。そんなに長い作品ではありませんが、その『天平の甍』に鑑真が出てくるわけです。もちろん、鑑真を呼ぶための物語ですよね。その中に鑑真の船、鑑真の乗った船が嵐に遭って琉球に漂着する。沖縄島に漂着するという、こういう事件が起こります。で、その「唐大和上東征伝」、これは鑑真が日本にやってくる。そのことを記録した文書なんですが、その「唐大和上東征伝」には沖縄のことが「阿児奈波(あこなは)」と書いてあるわけです。悪いという字と、児童の児、悪、児童の児、そして奈良の奈、そして波、これで「阿児奈波」と書いてあるわけです。この「阿児奈波」というのは、一体どんなところなんだろうか。沖縄だということは、鎌倉先生知ってらっしゃるけど、沖縄に対する興味をかき立てられるわけですね。で、大正10年、東京美術学校を卒業して沖縄に赴くことになってくるわけです。で、鎌倉先生にとっては、ですから、鑑真が足跡を記した沖縄に自分もやっていくで、鑑真が日本の日本仏教の基礎を築いていくように、自分自身も何がしかのことをしたいというふうに思われたと思います。
これは、大学を卒業する当時の鎌倉先生の写真です。いきなり伊東忠太先生が出てまいりましたけれども、これは後でやるといたしまして、このようにして沖縄にやってくることになるわけですが、大正の10年、沖縄女子師範と第一高等女学校の美術の先生になっていくわけですが、そのときに、当時沖縄で活躍していた沖縄研究の第一人者である伊波(いは)普猷(ふゆう)であるとかですね。伊波普猷の友人である、そしてジャーナリスト、俳句、俳人であり、沖縄の研究者であった末吉(すえよし)麦門冬(ばくもんとう)、そういった人たちと親交を結んで、とくに、末吉麦門冬の影響が非常に大きかったと思われます。沖縄の美術、美術の歴史を訪ねていくという研究に入っていくんですね。
そういった中で、大正の11年の2月に沖縄女子師範学校のテストのため、入学試験のために宮古島と石垣島に渡っていくんです。その宮古島、石垣島で、いわゆる沖縄のずっと南の方の文化に触れる。そこで鎌倉先生は、この沖縄琉球文化の層の厚さというものを実感することになっていくと考えられるんですね。
今画面に出ておりますのは、ちょっと画面が出ておりますけれども、一番右には「鑑真」と書いてありますで、これ「唐大和上東征伝」の一部を鎌倉先生はわざわざノートに筆記してあるんですね。先程、鑑真に影響を受けただろうというふうに話をしましたが、これは鎌倉先生の初期のノート、一番最初、大学ノートじゃなくてですね、こういった革表紙の手帳に書いてあるんです。「ノートナンバー25」とございますが、その一番最初のノートがこれだと思われるんですね。これに、この鎌倉先生が沖縄に目を向けられ惹きつけられる鑑真の事績が書いてある。非常に、鎌倉先生にとって鑑真がどれほど大きな存在だったかということがわかる一例だと思うんですが。
こうして沖縄にやってきて、宮古や八重山の文化に触れ、そして琉球全体に対して、さらにさらに研究を、研究の目を注いでいくということになっていくわけです。で、2か年間だけ、いわゆる沖縄での教員生活の縛りがあったわけですね。それで2か年を経て、再び東京に戻って東京美術学校の研究生となってくるんです。今で言えば、大学院に相当するところに入っていく。そのときに鎌倉先生、もうこの2か年の間に相当たくさんの研究を進めているわけですね。
さまざまな、今ご覧いただいているような、これは宮古島の、これは歌謡です。見えますでしょうか。ローマ字で書いてあります。なぜローマ字で書くのか、石川啄木のローマ字日記じゃありませんけれども。じつは日本の仮名文字、もちろん漢字では論外です。仮名文字では琉球の言葉は表記できないんですよ。今さっき「グスーヨー、チューウガナビラ」、これなどものすごい簡単な言葉です。これは書こうと思えば、仮名文字で書いてくることできるんです。ところが、宮古や八重山の言葉になると、仮名文字じゃ対応できないんですね。今でもだめです。ですから、言語学者は、仮名文字を幾重にも組み合わせをして、そして琉球語の1音1音を表記しようとするんですけど、簡単じゃないんです。1つの音を表すのに、仮名文字が3つも4つも必要になるんですよ。ありえないですよね。そういうことで、鎌倉先生は方言の音を正確に書くためにローマ字を採用した。
鎌倉先生、じつは英語の勉強が非常に好きだったらしいです。これは鎌倉先生自身が書いていらっしゃって、先ほどご紹介しました。香川県の師範学校時代、当時、鎌倉先生の1年、2年、師範学校3年、4年までありますが、その1年、2年の時の先生がなんと小原(おばら)國芳(くによし)という先生。皆さんご存知でしょうか。玉川大学は、その玉川大学を開かれた先生が小原國芳先生。この小原國芳先生に非常に可愛がられるんですね。で、英語の勉強をものすごくするんですよ。ですから、ローマ字表記はお手の物なんです。で、このローマ字表記で書くことを彼は採用するんですね。
ところが、ローマ字表記でも書けない文字があるんですよ。じつは、宮古、八重山の方言には、たとえば、空を飛んでる鳥。この鳥は日本語では「トリ」です。琉球、先程の沖縄語では「トゥイ」です。ところが、宮古に行きますと「とぅす゜[tudzɨ]」、「とぅす゜[tudzɨ]」と。私は石垣島の出身ですが、加治工(かじく)先生は鳩間島ですが、私などの石垣島では鳥は「トゥリゥ [turɨ]」。これは「ル」でもありません「リ」でもありません。「トゥリゥ [turɨ]」という音なんですよ。こういった特別な母音があるんですね。そのためにローマ字だけで足りないところを加治工先生じゃない、鎌倉先生は特殊な自分なりの記号を作って、こう今いった曖昧母音の中舌母音と言っています、それを表記するという工夫を編み出します。
こういった形で、宮古の歌謡、歌ですね、民謡。これは八重山の歌なんです。八重山の方言をローマ字で書いていく。そういった作業をしていくんですね。ですから、鎌倉先生の2か年間というのは、ただ単に芸術調査だけじゃなかったんです。民俗言語にも及ぶような非常に視野の広い目で、視野の広いというよりも、何でもかんでもという感じです。私に言わせると。ともかく珍しいんですね、みんな価値があるんです。そういったことを鎌倉先生自身がしっかりと記録していく。そのような作業をしているんですね。
鎌倉先生が来られた、大正10年頃というのがどのような研究史の中で、日本全体の研究史の中でどういう時代だったかというと、この今日の私のペーパーの一番最後のほうをご覧いただきたいと思いますが、8ページに「参考資料1」と書いてあります。鎌倉先生が来沖する前後の沖縄研究の状況です。その鎌倉先生が来られる大正10年、その前はどういう状況だったかというと、鳥居(とりい)龍蔵(りゅうぞう)という日本の考古学を開拓していた人物です。この人が沖縄にやってくるのが、明治の30年、そして明治31年に石垣島測候所の所長として岩崎(いわさき)卓爾(たくじ)という人。この人は仙台藩、現在の宮城県の出身です。この人がやってくる。そして明治の32年には加藤(かとう)三吾(さんご)。この方は長崎県の佐賀県かな、の出身だったと思いますが、この方がやってきて沖縄の研究を始めていく。そして明治の44年に、先程名前が出た伊波普猷という人物が、一番最初著書の『古琉球(こりゅうきゅう)』というのを出す。これが明治の44年です。伊波普猷の『古琉球』を読んで沖縄に目を向けられたのが柳田(やなぎた)國男(くにお)です。で、柳田國男が沖縄にやってきたのが、この大正10年の正月なんですね。正月に奄美から与那国まで渡って、沖縄の文化の価値の大きさ、いわゆる鎌倉先生、柳田國男にとっては、古代日本の鏡、日本の古代を映し出すのは琉球の文化であるというふうに見て、沖縄の価値を日本の学界に紹介したのがこの柳田國男です。これが来たのが大正10年なんです。その4か月後に鎌倉が沖縄にやってきているんですね。
大切なことは柳田は民俗学には3つの段階があると言ったんです。即ち、民俗研究、「旅人」の民俗学。旅人として島々村々を歩いて、そしてそれをこう書き留めていく、旅人の民俗学。で、そのつぎに、位が、ランクが上がっていく。これがいわゆる「滞在者」、居住者。滞在、外部からやってきて、その地域に滞在して、そして記録を作成し調査していく。これが第2段階の民俗学研究。そして、一番いいそれは何かというと、「その土地で生まれ、その土地で生活している人」の民俗学。これが一番肝心だと言ったんですね。で、鎌倉先生は何だったかというと、2か年間、そして更に1年、1年、4年間滞在する。ですから、第2段階の滞在者の研究です。これに対して、柳田先生の沖縄研究はまさに旅行者なんです。恐らく、そういった自分自身の経験も含めて、民俗学の一番初歩の段階として旅行者の民俗学をいったと思いますけれども。この柳田の旅行者の民俗学に対して、鎌倉先生の研究というのは、まさに滞在者としてのもう一歩進んだ研究であった。
そして、より大切なことはですね。柳田先生や折口(おりくち)信夫(しのぶ)、そしてその後ずっと続く、現在に至るまでと言っていいと思いますが、日本の民俗研究者の琉球語による民俗語彙の表記は、今もってカタカナであったり、ひらがなだったりするんです。たとえば、ヤマト。日本のことを沖縄では「ヤマトゥ」と言います。この「トゥ」の音を書けないんですよ。日本の民俗学の研究者は。ところが、先ほど紹介したように鎌倉先生は、あの難しい宮古語であるとか、八重山語であるとか、そういったものをちゃんと正確に書こうとしているんですね。これだけを見ても、鎌倉という人がどれだけ先進的な研究をしようとしていたかということがわかるというわけです。
そうこうして、大正の10年、11年の任期を終えて、12年の3月には沖縄を去って12年の4月から東京美術学校の研究科に入っていくわけですね。そこで出会ったのが、先程写真が出てきました、この伊東(いとう)忠太(ちゅうた)という先生なんですね。この伊東忠太という人物は、日本の建築学の建築学そのものの祖とされる人物ですね。この「建築」なんていう。我々にとってごく普通の言葉。この建築という言葉を編み出したのは、この伊東忠太なんです。「建築学」というのは、伊東忠太以前は「造家学(ぞうかがく)」と言われたんです。ぞうは造るの造。家、家を造る学問。これが伊東忠太以前なんです。それを建築学に変えた、そういった人物です。当時は当然、東京帝国大学の教授ですね。この伊東忠太に出会うわけですが、それが鎌倉のその後を開いていくことになっていきます。
で、その中でこの伊東、鎌倉を結びつけたのが首里城取り壊しという大事件だったわけですね。この首里城取り壊しを阻止するということが起こってきます。これも本当に偶然の中でですね。鎌倉が当時の沖縄県の男子学生の寮である明正(めいせい)塾(じゅく)というところです。そこで、沖縄の新聞を見ていたら、首里城取り壊しが始まるという記事を、ちっちゃな記事を発見するんです。これは一大事だということで、伊東忠太のところに駆け込んで行って、そして、その伊東忠太が当時の内務大臣である平田(ひらた)、名を何といったかな、という人にかけあって電報を打ってこの工事を止めさせる。そしてこれは、鎌倉自身はもう既に自分の目で見てきているわけですから、その価値の大きさは知っているわけです。これを壊しちゃいけない。それで首里城の解体を食い止めて、結局、首里城をいわゆる国宝指定に導いていくということになってくるわけです。で、こういうことで、この伊東忠太の紹介を得てですね。当時、赤星(あかぼし)鉄馬(てつま)という、赤い星、鉄、馬、すごい名前です。赤星鉄馬という人が創設した啓明会(けいめいかい)という、けいは尊敬の、ああ、拝啓の啓。めいは明るい。で、会合の会ですね。啓明会。啓明会から研究費を獲得して、鎌倉芳太郎、伊東忠太、二人による琉球芸術調査事業というのが始まっていくんですね。当時のお金で3千円。現在、明治時代すぐでしたら、1円、現在のお金で1万円ぐらいの価値ですが、この時代には大体6千円ぐらいの価値ではないかと言われてますね。ですから、3千円ということは、1千8百万、1千8百万から2千万円ぐらいの価値のあるお金。現在でいえば、科学研究費みたいなものをもらって、沖縄研究に入っていくわけです。
その中で特筆すべきことは、鎌倉先生はその時、写真機を買うわけですね。で、日本製は当時ありませんので、ドイツのカメラを買うわけです。そのドイツのカメラを手にするわけですが、これは簡単に扱えるものではありませんね。それで当時、東京美術学校の写真科の教授をしていた森(もり)芳(よし)太郎(たろう)、同じ芳の字です。芳太郎。同じです。その森芳太郎教授に付いて、なんと1か月でこれマスターするんです。その勉強ぶりについては、鎌倉先生自身がこの鎌倉ノートにちゃんと書いてあるんですよ。薬品の配合比率、この写真の撮り方。これはこの本の中にちゃんと活字に起こしてあります。普通の人だったら1年も2年もかかるようなところを、わずか1か月でマスターしたって言うんですよ。これは本人が書いていらっしゃるから間違いがない。
そして、沖縄にやってくるんですね。沖縄でもちろん首里城をはじめ円覚寺や先程ご覧いただいた円覚寺の写真であるとか、これは八重山の権現堂という、ちっちゃなお社ですか。そういった権現堂であるとか、これは桃林寺(とうりんじ)と呼ばれるお寺にある仁王像です。鎌倉先生はこれなど非常に絶賛しているんですね。これはいわゆる鎌倉期の彫刻家、有名な快慶とか運慶とかという、そういった彫刻家に比するものじゃない。鎌倉の大仏、鎌倉の仁王、鎌倉、東大寺の奈良時代の仁王像に匹敵する、そのような作品だ、というふうなことを鎌倉先生は言ってらっしゃるんですよ。これらについては、今日皆さんにお配りしました、資料の6ページから7ページですね。たとえば、この仁王像については、ポツ点の4番目、3番目4番目、桃林寺の仁王像と法隆寺の大門の仁王像とは、ともに8世紀の芸術で、私は先程東大寺と言いましたが、法隆寺の仁王像と同じなんだと。そしてその下、「レンブラントの示す赤暗の中に燦然たる明暗の美であった。そのモチーフの純真なる遠く鎌倉期の仁王像にも凌駕するであらう」鎌倉の快慶運慶の仁王像もはるかにしのいでいるというんです。「否私の直観には、推古期なる法隆寺の大門を連想せしめた。共に、発生期間の発生期の芸術である」というふうに非常に褒めたたえる。そういったものすごい価値のあるものが、琉球の一番端の島にあるというんですよ。まさに琉球文化の層の厚さというものをこういったところで発見していくわけですね。で、この権現堂のこの階段の彫刻であるとか、ちょっとこういった獅子像などがあるんですが、こういったところに鎌倉先生、非常に感動しているんですね。そして、さらにこれも権現堂の中ですが、これを「先嶋藝術と桃林寺の印象」という論文に書いていらっしゃるわけですから、もう絶賛ですね。この6ページ7ページに書いてあるのは、この論文から、私が鎌倉先生がその大正の11年の2月に八重山を訪ねた時の感動や琉球の芸術の価値を発見した、その場面を描いた論文だということです。
で、鎌倉先生といえども、いきなり八重山に行って、すぐにそういったのがわかるわけではない。やっぱり研究の手引き者がいたんですね。その研究の手引きをしたのが、この二人の人物です。中央のいわゆるサングラスをかけていらっしゃる方が、先ほど読み上げた岩崎卓爾という石垣島測候所の所長さんです。で、この方については動植物の研究者、そして八重山文化の研究者、初期の研究者なんです。この方の本が1冊ございます。『岩崎卓爾全集』1巻だけの全集です。ぜひご覧になるとよろしいと思います。伝統と現代社だったかな。そこから1972年、3年ぐらいに出されています。そういった研究をした初期の研究者。そして、隣の袴を着けた人物。この人が喜舎場(きしゃば)永珣(えいじゅん)という八重山地域の研究の草分け、そして大成をした人物ですね。この二人の人物によって、八重山の研究に入っていくんです。八重山の芸術家にはどんな人たちがいたのか、そういったことを一つずつ調べていく。
で、この八重山調査の時に出会ったのが八重山蔵元(くらもと)絵師の画稿という、この八重山の琉球王府のいわゆる出張所のような役所があったんです。そこに絵師がいたんですね、絵を描く人が。写真なんてございませんから、全て絵を描く人が記録として物を残して首里王府にあげていくんです。たとえば、アメリカの船がやってくる、中国の船が漂流する、オランダ船、イギリス船が沖を通過する。こういったのを見て絵に描いていくんですね。そのために絵師っていうのがいたんです。その絵師たちが描きためた126枚かな、画稿を、鎌倉先生はこれをもらって東京に持ち帰るわけですね。
で、この絵師の画稿、たとえばこんな絵があるわけです。こういった絵ですね。夫婦喧嘩の絵ですが、この、こちらのあたりに酒器があります。酒を注ぐ道具。で、こちらの煙草盆があって、酒を飲み過ぎた旦那さんが奥さんに叩かれている、そういった図だと思われますが。そういう図であるとか、これは石垣島の登野城(とのしろ)という村の祭りに出てくる。この、この仮面、これ仮面です。弥勒(みろく)という神様なんです。その弥勒神(みろくがみ)を先頭に村の人たちが行列をしている。これは現在もそのままやれているんですよ。なんと、12年に一回。石垣市登野城の結願(けつがん)という祭りの模様がそのまま描かれていたんですね。そういった島々の風俗をかき集めたのが、この蔵元絵師の画稿126枚。これをそのままもらって、鎌倉先生がきれいに表装したんですね。これがおかげさまで残っているんです。ご存じのように、沖縄、八重山、宮古を含めて、この南の地方は白蟻が非常に多いんですよ。そのまま石垣島にあったら、これはみんなもう虫の餌食だったでしょうね。それを鎌倉先生がもらって保存して表装して裏打ちして、そしてこれがなんと1972年の復帰の直後、1977年ですかね。77年じゃない、75年ですか、八重山、石垣市立八重山博物館というのができた時の、一番、開館の展示会として、この「蔵元絵師の画稿」展というのが開かれるんですね。里帰りしたんです。それこそ70年ぶりに里帰りしたこの写真絵図。これらは現在、国の重要文化財です。鎌倉先生が保存したおかげですね。これはみんな石垣市立の八重山博物館に収蔵されております。いわゆる琉球王国末期の八重山という地域の風俗を知るための、非常に貴重な資料になっている。そのような資料も集め歩いたんですね。
で、第1次琉球芸術調査事業、そして第2次琉球芸術調査事業という中で、今見たような写真機を使った調査をしていく。建物のみならずですね。こういった資料を収集していく。これは首里城のこの正殿のいわゆる唐破風という中央部分。この中央部分の写真で見ても描かれるなんて思われないですよね。みんな。これは平成初めに復元になった首里城です。で、そのようなものを知らせるのが、この鎌倉先生が収集した資料なんですよ。鎌倉先生のことを「首里城を2度救った男」などというふうにキャッチフレーズのように称することがございますが、2度救ったというのは、1度目は先程の伊東忠太の力を借りて首里城の解体を食い止めたことですね。これが1度目。で、2度目がこれなんですよ。この平成の復元。その平成の復元に、鎌倉先生が収集した、この首里城正殿の絵図なんですね。これは首里城の正殿の一階の、これ柱の配置図です。設計図ですよね、簡単に言えば。そして、先程ご覧いただいた写真類。これらによって、この平成の復元というものが導かれていくんです。ということで、「首里城を2度救った男」というふうに言われてきているわけです。これなどは、首里城正殿で行われた国王をここにお招きして、飾りものを飾って正月の儀礼をする、その時の儀礼の絵図。
そして、さらにこの琉球芸術調査で鎌倉先生がやった仕事はこんなものだという事例です。たとえば、これは御供飯(うくふぁん)と呼ばれる非常に立派なこれは什器ですね。漆の製品です。この後、上江洲さんが上江洲(うえず)安亨(やすゆき)先生がお話してくれると思いますが、これは現在も沖縄県立博物館に行けば、これは見えます。復元されたものです。それから、伊東忠太がプレゼントしたものがある。復元されたものと伊東忠太入手のものがあってですね。これが鎌倉先生が写した写真なんですが、驚かされるのは、このような図を残しているんですね。で、よく写されていることがわかると思います。で、驚くべきことは、寸法がちゃんと記されているんですね。つまり、鎌倉先生の仕事というのは、工芸品の調査では、写真を写す、図を描く、採寸する、そしてこれを図に落としていく。このような作業を一人でやっているんですよ。恐ろしいんですね。1年1年、1年ごとの調査でこういったことをずっとしていっているわけです。
このようにして得られた写真、これらは全部国の重要文化財に指定されたんですね。こういったものです。この什器があって、これ、これを載せる台です。これの図と側面図、そして寸法。これを至るところでやっていくわけですね。で、そのほか、これは宮古島のいわゆる神事(かみごと)を行う沖縄で一般に御嶽(うたき)と言っております。その御嶽の図です。これは平面図です。上から見た、ちょっとよくわからないと思います。私などもじつはこっちには入ったことがない。男は入れないんですよ。沖縄の神事(かみごと)は、これ全部女がやります。ですから、男は立ち入れないんですよ。ところが、鎌倉先生、入ってらっしゃるんですね。何らかの特権があったんでしょうね。驚くことは、そういったのを平面図として、ちゃんと頭の中に描いて、そして図を落としている。これにみんなこの方言を先程言ったローマ字表記してるわけ。私たちにとってこれは非常に重要な図なんです。こちらに「座御嶽神座見取図」と書いてあります。この座(ざ)御嶽(うたき)というのは現在もあります。ところが、この裏側なんかは入っちゃいけないんです、我々。表まで。この表に立ち入ることはできるんです。それこそ百年前の座御嶽の図なんですね。こういった図を描いていくわけです。
これは、皆さん現地調査で、これから沖縄歩かれるとすれば、南城(なんじょう)市(し)の佐敷(さしき)というところ。馬天(ばてん)というところがあります。その馬天に、馬天(ばてん)御嶽(うたき)っていうのがあるんです。鎌倉先生が大正の14年の正月かな、行ったと書いてあるんですよ。で、このような図を残している。で、これは私が写した写真です。戦争の、あの沖縄戦のさなかを生き残ったのか、手を加えたのか知りませんが、よく似てますでしょ。多分、ここまで弾が飛んでこなかったのかどうなのかわかりませんが、よく描いていらっしゃる。これと、これはですね。ですから、今、このカラー写真の方は、皆さん行って見えるんですよ。鎌倉先生は、今、我々は車でぶわっと行きますから30分で行きますけれども、こちらから行けると本当にもうすぐそこです。6キロ離れているかな、6キロぐらいしか離れていません。行けばすぐ見えます。ところが、その大正の13年、14年の、この冬のさなかに鎌倉先生、重たい写真機材等々を含めて歩いて行っているんですね。バスなどない。そしてこれだけの資料を残すわけですね。
これが鎌倉先生の「琉球芸術調査事業」というふうなものなんですけれども。このような集中的な調査事業で鎌倉先生が入手した資料が、現在、全部沖縄県立芸術大学の図書芸術資料館の中に入っているというわけですね。で、その中のどこにあったのかな。その中の写真、そしてノートですね。レジュメにも書いてあると思うんですが、自分で探しきれません。ここで紹介しますと、当時のガラスは今のようなフィルムじゃありません。今はもう電子データになっていますが、以前はフィルムです。その前はガラス乾板というやつですね。で、鎌倉先生などは、このガラスの乾板を背負っていくわけです。これはガラスですから1枚1枚重たいですよね。で、写真機、三脚を持って歩くわけですから、大変なものです。で、このガラス乾板が1229枚。これはみんな芸大に入っている。そして、この琉球芸術調査事業というシールの貼られた写真があります。それこそ、百年前の写真。百年前に焼き付けられた写真。これが851点、そして先程ご覧になったような手帳ノート。それから大学ノート。ほとんど大学ノートですが、それが81点、そしてこの本を作るために、鎌倉先生のこの1229枚の写真を岩波書店で焼き付けた。新しい紙焼き資料2952点、その他、文書資料、先程の首里城の絵図とか、そういった資料178点、そして紅型の型紙、それから裂地、反物、それらが2154点。それから首里城で採集した陶磁器の資料67点、合計7512点。これだけ全部が、今現在、沖縄県立芸術大学に収蔵されている。鎌倉先生鎌倉先生の遺志を受けて遺族が寄付された、鎌倉先生収集の資料です。これは琉球文化、沖縄の文化を研究する上で、非常に貴重な資料でございます。で、鎌倉ノート81点につきましては、この本、今2冊だけございますが、全部で4冊ございます。この大きさの本が、B5版の上下2段組み、こんな本です。文字だけです。これは鎌倉先生のノート81冊、活字に起こしたらこうなったというわけです。私が沖縄県立芸術大学で30年勤めていたんですが、ほぼ20年で4冊の本を作り上げました。ですから、鎌倉先生のノートは基本的にこれで見ていくことができるというわけですね。で、紅型関係資料につきましては、沖縄県立芸術大学にいらっしゃった柳(やなぎ)悦洲(よしくに)、それから平田(ひらた)美奈子(みなこ)、このお二人によって型紙資料、そして裂地関係資料。これも4冊写真版で出ておりますので、どうぞご覧いただきたいというふうに思います。
で、このようにして鎌倉先生が集められた7500点の資料。これは近代の沖縄を研究しようとした人が収集した、個人で収集した資料としては、質、量共に最高のもの。最高、最大のものというふうに言ってよろしいと思います。
そのように大きな功績を残されたのが鎌倉先生だというわけですが、鎌倉先生はもともと美術の先生ですので、沖縄の絵画についても非常に深い興味を持っていらっしゃったというわけです。これは残念ながら作者は分かりません。画家は分からない。どこにあったかというと、先程、冒頭でお見せした円覚寺のいわゆる仏殿にあった、仏殿、仏殿の仏様を安置する伽藍がございますね。伽藍の背景をなしていた絵です。こういった絵。これもそうです。この絵のどこかにあっ、これですね。これカーソルの動いている、この存在人物をアップするとこうなるというわけですね。このように写しているわけです、ご自身が。私が記述を大きくしたわけではありません。で、みんなこれに入っています。この『沖縄文化の遺宝』というこの本。『沖縄文化の遺宝』という本は、本編とこれみんな写真なんですね。650枚ぐらいでしたかね。ちょうど今、この写真もお見せします。これは毛長禧という人の「闘鶏早房之図」という、こんな絵です。こういった。これもそうですね。こういった、これは屏風絵です。それから先程言った彫刻作品ですね。ともかく、鎌倉先生が写された写真を全部、写真の全部ではないです。セレクトして、600何枚でしたかね。ごめんなさい、600いかない。541枚集めてございます。ですから、先程ガラス乾板が1227枚あるというふうに申し上げましたので、約半分ぐらいがこれの中に入っているというわけです。で、これは解説です。鎌倉先生がこれらを理解する為の自分の研究論文をまとめた本です。これも大層な分量ですよね。先にお見せした原稿を書いている場面がございましたよね。これを書いていたと、この論文を書いていたというわけですが、ちょっと待ってくださいね。これの中に先程の、たとえば、この首里城について書いたところでは、ちゃんと自分が収集したものを利用しながら論文を書いてらっしゃる。ただ集めただけじゃないんですよね。ちゃんと活用して研究に生かしているですから、これはあくまでも鎌倉先生が利用した論文、本なんですが、私達はこういったものを利用しながら、利用しながら新しい研究ができるはずなんです。そういう意味で、後から追っかけてきている私などは、鎌倉先生の仕事を紹介しながら、いずれ鎌倉先生のやりたかったことを後追いしてみたいなというふうに思っているというわけです。
で、鎌倉先生は先程冒頭、型絵染の人間国宝だということで非常に有名なんです。皆さん、ご存じ無かったか知りませんが、ただ私は鎌倉先生が単なる型絵染の作家ではなかったんだと、琉球文化全般に対して非常に目配りをして色んなものを調査し、歩いた。そして、柳田国男の言葉で言えば、滞在者の民俗学、それを実践して、北は伊平屋、伊是名の離島から与那国までみんな歩かれて、たくさんの克明なノートを残されている。そして、それだけではない。首里の王家、即ち、中城(なかぐすく)御殿(うどぅん)と呼ばれる琉球国国王皇太子の邸宅です。そこに沖縄関係の資料がたくさん保管されていたんですね、王府の資料が。それを筆写している。これが大変な資料だったんですね。即ち、この中城御殿にあった、この琉球史関係資料は、全部戦争で吹き飛ばされたんです。ところが、幸いなことに、鎌倉先生が筆写したお陰でこれは残ったんですね。そういった、いわゆる歴史関係資料、文学関係資料の筆写もまた行った。ですから、私が鎌倉先生を型絵染の作家いうだけの評価じゃいけない。琉球文化全般に対して、非常に大きな興味と価値を見出した研究者。琉球文化研究を志した人物だったというふうに思っているというわけですね。
で、これについては鎌倉先生自身がこう言ってらっしゃるというわけですよね。どこだったかな、どこかに書いたと思ったんですが、ちょっと今探し出せませんが、間違いなくレジュメの中に書いてございます。この中城(なかぐすく)御殿(うどぅん)、尚家(しょうけ)、皇太子のお屋敷で自分が筆写したこれらの資料というものは、柳田國男も折口信夫も伊波普猷も東恩納(ひがおんな)寛惇(かんじゅん)、そういった日本の大先達たちもまだ見ていない資料を私は今書いています、筆写しています。これらが日本の民俗学学問の世界に大きな影響を及ぼすことは間違いがないという、そのような自信を持ったことを葉書に書いて伊東忠太に送ってあるんですね。ですから、鎌倉先生が研究しようとした若い頃に研究しようとしたのは型絵染だけじゃない。芸術だけじゃない。幅広く文化全般を研究する、そのような展望の下に調査をしていたということが分かるというわけですね。
で、これなどは、先程も見ていただいた、この沖縄の有名な画家たちの、鎌倉先生が5大画家というふうに選び出している人たちの写真です。これが先程ご覧いただいた「闘鶏早房之図」という鳥の絵ですね。この頭部だけ接写してるわけですね。で、皆さんこういったニワトリの絵というふうなことになりますと、すぐに伊藤(いとう)若冲(じゃくちゅう)を思い出されるかもしれませんが、鎌倉先生はその時代の日本や中国の画家も及ばないと書いてあります。鎌倉先生がこういった仕事をしていらっしゃる頃には、伊藤若冲はまだ発見されていないんですよ。発見されていたら面白いですね。比べてみると、僕もこの写真をちゃんと見ながら伊藤若冲の展覧会を見たことがありますが、この琉球画家毛(もう)長禧(ちょうき)の描いたこれらの絵は決して伊藤若冲に負けていないと思います。これは馬の図です。このように琉球の文化が持っていたその力というものは、非常に日本、中国に比して決していたずらに劣っているものではない。非常に大きな独自の価値を持つものであるということを発見した人なんですね。
ですから、私などそういった意味でこれからも、22歳の、沖縄には何もないと思った私などもですね、是非、今後、鎌倉先生のこのような資料を使いながら、沖縄文化の内実の豊かさ、それをちゃんと伝えてまいりたいというふうに思っております。
ちょうど時間になりましたので、私のお話、これで終わらせていただきます。あっち行きこっち行きで非常に話を追いかけにくかったかと思いますが、この資料をごらんいただいて、もし何かありましたら、また久世先生にでもご質問をお寄せください。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
――質疑応答――
【久世】どうもありがとうございました。せっかくなので何かご質問にでもよろしいですか。ご質問があれば、いいかなと思います。まだ鎌倉芳太郎自体が初めてという方もたくさんいらっしゃいますので、またこれから沖縄のことをよく調べられた時に、どうしても到着するのが、【波照間:そうですね】ということになると思いますので、その時になってまた疑問を持たれる方は、聞きたいということがあると思うんですけれども。
【会場】県立芸術大学のほうで鎌倉芳太郎のノートがアーカイブされていると思うんですが、これを波照間先生が作られたという認識でよろしいでしょうか。
【波照間】本をですね。
【会場】本。こちらの写真とか、ウェブサイトは。
【波照間】あれは私達が、私は県の芸術大学の付属研究所というところに30年間おりました。で、科研をもらって、この写真を公開するという作業をしたんですね。ですから、ノート全部見れるようになっています。はい。で、これを活字化したのがこの本だと、活字化したんです。あれを見てもお分かりだと思いますが、とてもじゃないけど、こういった崩し字などに慣れていないと読めないものなんです。それを読んで一般の人が利用しやすいようにしたというわけですね。
【会場】時間はどのくらいかかったんですか。
【波照間】私、先程20年ほどかかったと言いましたが、最初の1冊を出して、その間別の仕事をしなきゃいけなかったり何したりしたものですから、20年ぐらいかかってしまっているんですが。実質、5、6年じゃないでしょうかね。5、6年というのは短すぎるかな。10年ぐらいですかね。はい。とても大変でした。目が悪くなるくらいの仕事でした。はい、どうぞ他にも。簡単なことで。
【会場】ローマ字の表記が出てきたかと思うんですけど。あれは今でも、やっぱり沖縄の言葉とかを使う時、表記する時に使われてる書き方なんでしょうか。
【波照間】基本的にはローマ字表記はヘボン式とか訓令式とかありますよね。ヘボンでも訓令でもどれでもいいんですけど、先程言った「ズー(す゜[dzɨ])」という音だとか「スー(すぃ[sï])」というとであるとか「ル(リゥ[rɨ])」なんていう音は書けないんですよ。ローマ字では。で、音声表記だと、たとえば鳥、「トリ」でしたら、沖縄のほうでは「トゥリ[turi]」。で、r音が落ちて、今、中南部では「トゥイ[tui]」になってるわけです。ところが宮古だとこんな音になる、「とぅす゜[tudzɨ]」、「す゜[dzɨ]」、摩擦音が入る。八重山だったら、「トゥリゥ[turɨ]」、「リゥ[rɨ]」、という音なんですね。こういった音は、これは音声記号でこう書いてあるわけですが、鎌倉先生、これ困ったんです。それで鎌倉先生はどう書いてあるかというと、どうだったかな。ちょっと正確でありませんが、こう書いて、この下にこんなふうな記号を付けた。こんな記号、こんな記号はローマ字にないんですよ。鎌倉先生の発明なんです。で、なぜこれが、記号、そういった、いわゆるこれ変母音、ドイツ語などでウムラウトと言っている。たとえば、ë、なんてこんな音があったりしますよね。こういった変母音なんですが、これを今、我々は「リィ」と書いたり、人によっては「ルィ」と書いたり、もうまちまちなんです。言語学者はこういった表記をして、「す゜[dzɨ]」、とか、「リゥ[rɨ]」、という音を書き記すわけですが、これは今でも、こういった字で書ければまだいいです。「リ」と書いたり「ル」と書いたり。これじゃ正確な音の復元につながらないですね。それを鎌倉先生は自分自身の記号を編み出して発音を正確にしていこうとした。そこが優れているというわけです。
柳田や、たとえば、お茶のことを、今これ「ティー」ですよね。今でしたら、我々「ティー」と書きますね。ところが大正、昭和、戦前の学者は、この「ティー」が書けないんですよ。で、「てい」と書いてサイドラインを引いたのは誰かというと、これは折口信夫の書き方です。折口は横文字、片仮名文字はみんなこう書いて傍線を付けて、これが外来語であるということを表記したんですね。だから折口は「てい」と書いたけれども、これは元の発音とはちょっと違うよねってちゃんと意識はしてる。しかし、書きようが分からないわけです。それでこういった傍線でもって、それを示そうとしたんですね。そういったいわゆる民俗の語彙、民俗語彙、タームを正確に書いていこうとする、この意識が大切だと僕は思うんです。これは今の歴史学者、ああ、民俗学者は、日本の民俗学者はできないですよ。私などは正確に書こうと思ってますけど。これはまだまだ一部分の人たちです。ですから、百年前にこれをやったということが、いかに優れているかということ。よろしいでしょうか。
【会場】ありがとうございました。
【久世】どうもありがとうございました。改めて拍手で、どうもありがとうございました。
(1時間23分)
14:50-16:20
□ アーカイブされた史資料を活用した研究する・考察の実践
〜琉球国の祭祀儀礼道具の研究から〜
(講師)上江洲 安亨氏(博士(芸術学))(沖縄美ら島財団 首里城公園管理センター)
1969年生まれ。沖縄美ら島財団事業部 首里城事業課副参事、および、同財団 首里城公園管理部 学芸員。沖縄県文化財保護審議会委員 および 専門委員、琉球文化財研究室長なども歴任。現在、2019年10月31日未明の火災で焼け落ちた首里城の2026年の復興に日々尽力されている。
本年度11月、沖縄研究に尽力した優れた若手研究者に贈られる【沖縄文化協会賞】の言語・人類学の分野の金城朝永賞を受賞されました。
沖縄文化協会賞は1979年に創設され今年で45回を数え、沖縄学の精神を受け継ぎ発展させるため、若い人達の有望な研究を助成、奨励することを目的としたものです。
(一財)沖縄美ら島財団主催の首里城講座や沖縄県立博物館・美術館の博物館文化講座などの講師も務めている。
1.映像資料
2.プレゼン資料
16:30-18:00
□ 琉球びんがた体験
・知恵泉「首里城・紅型 沖縄への愛 鎌倉芳太郎」2023年6月13日放送の概要紹介
・びんがたについて
・コースターの染付体験
(講師)加治工 尚子氏(岐阜女子大学准教授)・加治工 摂氏(本場琉球・加治工紅型)
スケジュール(沖縄)
14日(日)9:00〜14:00
現地実習:沖縄文化遺産デジタルアーカイブ実践実習(各自)
当日の予定
9:00 首里城守礼門前に集合(時間厳守)
斎場御嶽
4.資料
1.映像資料
※ 首里城の復元についての講演並びに首里城の説明があります。
2.【報告書】沖縄デジタルアーカイブセミナー報告書
Ⅴ レポート課題
事前課題
① 飛騨高山匠の技文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する
(例) 吉島家・日下部家デジタルアーカイブ
② 沖縄文化遺産デジタルアーカイブの計画を提出する。
(例) 首里城のデジタルアーカイブ
事後課題
① 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブのレポートを提出
② 沖縄文化遺産デジタルアーカイブのレポートを提出
Ⅵ アドバイス
事前課題解説
地域資源デジタルアーカイブ(https://mcodu.jp/)内の、
① 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブを参考にする。
② 沖縄文化遺産デジタルアーカイブを参考にする。
事後課題解説
地域資源デジタルアーカイブ(https://mcodu.jp/)の、
①【報告書】デジタルアーカイブIN ⾼⼭
②【報告書】沖縄デジタルアーカイブセミナー
を参考にする
Ⅷ テキスト
地域資源デジタルアーカイブ(https://mcodu.jp/)内の、
大規模公開オンライン講座(MOOC)/【講義】デジタルアーカイブ特講
のテキスト
資 料
実践研究Ⅱ(高山編)申込書
実践研究Ⅱ(沖縄編)申込書
実践研究II(2024年度)(予定)
2024年8月31日(土)ー9月1日(日)
【前期】実践研究II
郡上市
【後期】実践研究II
2025年1月25日(土)-26日(日)
那覇市
【授業】教育情報特講・教育情報特講Ⅱ
Ⅰ はじめに
21 世紀の知識基盤社会における「学力」は「他者と協働しつつ創造的に 生きていく」ための資質・能⼒の育成である。そのために、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。また、情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。児童・生徒に求められる学⼒の変化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。本講座では「インストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインについて考えていく。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
高度情報社会は新しい課題を世界にもたらし、新しい解を生み出せる人間を求める社会である。つまり、これからの社会は、一部の専門家があらかじめ有する「正解」を適用するだけで解決できるものではなく、問題を共有する者が知識やアイデアを出し合い、不完全にせよ解を出して実行する。そして、その結果を見ながら解とゴールを見直すことが求められている。このような課題に対して、社会全体が応えようとしている表れが、知識基盤社会、コミュニティ基盤社会への転換と進展、ICTの利活用である。知識基盤社会とは、新しい知識やアイデア、技術のイノベーションがほかの何よりも重視される社会である。そのイノベーションのために、他者とのコミュニケーションやコラボレーション(協働、協調)が重視され、 それらが効果的・建設的に行えるように、人と人を繋ぐコミュニティやICTの役割に注目が集まっている。
つまり、現在決まった答えのないグローバルな課題に対して、大人も子 供も含めた重層的なコミュニティの中で、ICT を駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り、交換して考えを深め、統合することで解を見出し、その先の課題を見据える社会へと、社会全体が転換しようとしている。ここでは、その高度情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える。
Ⅲ 授業の教育目標
教育情報とは、検索利用可能な形で集積され、流通される情報を第一義的なものと考え、狭義には学資教材情報を、広義には、教育研究情報や教育の管理経営の情報その他を含めて考えることが情報管理論的に妥当である。こうした教育情報のシステムは、すでに学術的には開発され、試行されているものがあるので、これを基準に、教育情報について体系的に考察する。
(1)「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
(2)21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
(3)⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することを考える。
(4)企業の教材開発の視点を考える。
(5)協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理 解を深め、その効⽤を考える。
学修の進め方
第1講 インストラクショナルデザイン
1. 何を学ぶか
情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。⼦供達に求められる学⼒の変 化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。ここでは「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
2. 学習到達目標
① インストラクショナルデザインとは何か説明できる。
② ADDIEモデルについて事例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ADDIEのプロセスを検討し、折り紙を折れるようになる教材を作成しなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第1講)
5.映像
第2講 授業デザインの基本
1. 何を学ぶか
教育の世界ではデザインというと美術関係や建築関係のことを連想するかもしれない。ここでは、サイモンがシステムの科学で⽰したデザイ ンの概念を紹介しつつ、教育での改善や問題解決あるいは改⾰に関わることについて考える。
2. 学習到達目標
① サイモンのデザインの考えをもとに、授業デザインを状態記述と過程記述から説明できる。
3. 研究課題
① 各⾃の授業を取り上げ、状態記述と過程記述で授業デザインを検討しなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第2講)
5.映像
第3講 21世紀に求められる学⼒と学習環境
1. 何を学ぶか
21 世紀にふさわしい主体的・協働的な授業をいかに設計し、評価していくべきだろうか。21 世紀の知識基盤社会における「確かな学⼒」は「他者と協働しつつ創造的に⽣きていく」資質・能⼒の育成であるため、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。ここでは、21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
2. 学習到達目標
① 21 世紀に求められる学⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を引き出す授業の条件を説明できる。
3. 研究課題
① 知識習得モデルと知識創造モデルの違いを説明しなさい。
② 知識習得モデルから知識創造モデルへの授業改善について、具体例をあげて説明しなさい。
③ 変容的評価について、具体例をあげて説明しなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第3講)
5.映像
6.資料
第4講 教材の分析と設計
1. 何を学ぶか
⽬標分析をできないと評価規準をつくるのは難しいと⾔われる。「⽬標分析をする」とは、⽬標の構造を捉えることである。つまり、 ⽬標は平⾯的で、それだけでは構造はわからない。しかし、⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することである。「この単元で何をしたいのか、何を教えたいか、何を指導したいか、どのような順序で教えるのか」を決定する。そして、「それを指導するために、何がいるのか」を考える。
2. 学習到達目標
① 何を教えるのか、そのための教材作成のあり⽅について説明できる。
② システム的な教材設計・開発の⼿順を5 つに分けて説明できる。
3. 研究課題
① あなたは、どのような場⾯でメディアの影響を強く受けていると思うか、また、どのような場⾯でメディアの影響をあまり受けていないと思うかグループで話し合って発表しなさい。
② テレビなどのCM は、専⾨家がなんとか視聴者をひきつけようとして創作した作品である。どんなCM が印象に残っているか。それは何故か。メディアの特性をどのように使っているか。グループで話し合って発表しなさい。
③ インターネットで、いくつかの教材を調べて、その教材の有効性を5段階で判定しなさい。そして、どのような要因でその判定結果になったかを、書きなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第4講)
5.映像
6.資料
第5講 学習⽬標のデザイン
1. 何を学ぶか
授業づくりは、まず学習⽬標を適切かつ明確にすることからスタートする。学習⽬標とは、学習者が、わかるようになること、できるようになること、⾝に付けることなど、教師が授業でねらいとすることを、より具体的な形で表し、どのようにわかったか、どのようにできるようになったか、どのように⾝に付いたかについて考える。
2. 学習到達目標
① ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて説明できる。
② ガニェの学習成果の5 分類について、具体例を挙げて説明できる。
③ 明確な学習⽬標について、具体的な単元において説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの学習成果の5分類をもとに、各教科や単元を例にとって、グループで明確な学習⽬標を設定して発表しなさい。
② タキソノミーミーテーブルの必要性について説明しなさい。
タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)インストラクショナルデザイン
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第5講)
5.映像
第6講 教材開発のストラテジー
1. 何を学ぶか
本来教材というものは、教師⾃⾝が担任(担当)している⼦供の実態や学習⽬標に応じて⾃作するべきである。しかし、そうするには学習課題や教材を使⽤する⼦供の分析から始まり、具体的に製作するまで膨⼤な時間と労⼒がかかってしまう。そのため全ての教材を⾃作することはたいへん困難をきわめる。ここでは、企業の教材開発の視点を考える。
2. 学習到達目標
① 企業の教材開発の視点を説明できる。
② 企業の教材開発の⼯夫を具体的な例を挙げて説明できる
③ 企業の教材開発におけるストラテジーとは何かを説明できる。
3. 研究課題
① 同じ正答であっても問題によって正答率が異なるのは何故か、具体例を挙げてグループで考えなさい。
② プリント教材の⻑所と短所について、グループで話し合って発表しなさい。
③ 紙(アナログ)の教材とICT(デジタル)を組み合わせたり、連携させたりして新しい教材を、グループで話し合って考えなさ い。
④ ⼀⻫学習、協働学習、個別学習のいずれかで活⽤できそうなデジタル教材(タブレットアプリも可)を、グループで話し合って考えなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第6講)
5.映像
第7講 教材の開発とその活⽤
1. 何を学ぶか
⼩中学校における理科の実験教材を開発する場合、先⽣が実験を⾒せる時に、実験台の周辺に児童⽣徒が集合することになるが、⼀⽅向からしか⾒えない児童⽣徒が⼤半で⼗分に理解することができない。しかし、多視点映像教材を⽤いると、従来の映像教材では⾒られない被験者の⽬線による映像や正⾯からの映像、左右側⾯からの映像や俯瞰による映像を⾒ることができ、理解の⼿助けとなる。ここでは、多視点映像教材の開発とその活用について考える。
2. 学習到達目標
① 多視点映像教材の開発とその活⽤について説明できる。
3. 研究課題
① 看護技術の多視点映像タブレット教材を使ってみて、他の教材への応⽤をグループで話し合って、その効果について考えなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第7講)
5.映像
6.資料
第8講 魅⼒ある授業をつくる
1. 何を学ぶか
教師の誰もが「⼦供にとって魅⼒ある授業をしたい。」と願っている。「魅⼒ある授業」とは、画⼀的な教え込みの教師主導型の授業ではなく、教師の⼯夫によって⼦供が教材や指導内容に引き付けられ、⾼まった学習意欲をもとに⼦供が主体的・協働的に追求する授業のことである。今後の教育の⽅向として重視されている「アクティブ・ラーニング」(主体的・対話的な深い学び)も、魅⼒ある授業を⽀える条件の⼀つとして⼤切である。ここでは、魅⼒ある授業をつくる上で⼤切なこととして、教師の指導⼒(児童⽣徒理解⼒、授業⼒、学級経営・⽣徒指導⼒)と、授業を⾏う上での教師の基礎・基本(教師が⾝に付けるべきスキル、⼦供に⾝に付けさせたいスキル、学習環境の整備)に視点を当てて考える。
2. 学習到達目標
① 魅⼒ある授業をつくる教師の指導⼒について説明できる。
② ガニェの9教授事象について具体例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの9教授事象をもとに、魅⼒ある授業をつくるのにどんな授業展開をするとよいのかを具体的な教科名や単元名をあげ ながら、グループで話し合って発表しなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第8講)
5.映像
第9講 学習意欲を⾼める
1. 何を学ぶか
変化の激しい社会を生き抜いていくためには、⾃ら課題を⾒付け、 ⾃ら学び、⾃ら考え、主体的に判断し、⾏動し、よりよく問題を解決できる能⼒や態度を⾝につける必要がある。このような能⼒や態度を育てる教育を実現するためには、⼦供の学ぶことへの関⼼・意欲を高めることが必要であり、学習の評価においても「関心・意欲・態度」の観点が重視されている。しかし、学習到達度調査などによると⽇本の⼦供の学習意欲は、改善傾向にあるとはいえ、平均を下回っていることが指摘されている。では、どうすれば学習意欲を⾼めることができるかについて考える。
2. 学習到達目標
① 学習意欲を高める指導法について説明できる。
② ジョン・M・ケラーのARCS モデルについて具体的に説明できる。
③ アンドラゴジーをもとにして学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に説明できる。
3. 研究課題
① アンドラゴジーをもとにして、学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に5つあげて、KJ 法を使って、グループごとに分類し、説明しましょう。
② 各グループで、学習の動機づけの具体的な⽅法をあげて、ジョン・M・ケラーのARCSモデルのどの分類にあたるか分類しましょう。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第9講)
5.映像
6.資料
第10講 協働的な学びをデザインする
1. 何を学ぶか
⽇本において「協働学習(Collaboration Learning)」という⾔葉や概念は教育⼯学・認知科学の分野において使⽤され始め、ICT環境の整備とテクノロジによる学習⽀援が実現されていくのと共に広く知られるようになった。もともと「協働」とは⾃らが属する組織や⽂化の異なる他者と⼀つの⽬標に向けて互いにパートナーとして働くことである。従って「協働学習」は、単に「問題を⼀緒に解く」というような抽象的な活動のことではない。問題を解く場⾯で「どうしても他⼈がいないと起きない活動」を通じて「他⼈がいると⾃分⼀⼈で解くより答えの質が上がる」ことを繰り返し経験することで柔軟に解決できる“使えるスキル“の育成について考える。
2. 学習到達目標
① 協働学習の考え⽅を理解し実際に授業デザインできる。
② ワークショップの⼿法を5種類説明できる。
③ ジグソー学習について説明できる。
3. 研究課題
① 協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め、その効⽤を検討してみましょう。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第10講)
5.映像
6.資料
第11講 ICTの活⽤とその効果
1. 何を学ぶか
⽂部科学省は、平成26 年度の委託事業である「ICT を活⽤した教育の推進に資する実証事業」において「ICT を活⽤した教育効果
の検証⽅法の開発」を⾏った。この実証事業は、ICT を活⽤した教育の推進を図る上で不可⽋な教育効果の明確化を⽬的として、1⼈1 台のタブレット端末を活⽤した授業と活⽤しない授業を実施し、児童⽣徒にもたらされるタブレット端末の活⽤効果を検証するとともに、ICT を活⽤した教育効果の検証⽅法を開発した。ここでは、タブレット端末を活⽤した授業の実践によりもたらされる「児童⽣徒の学⼒への効果」と「教員のICT 活⽤指導⼒への効果」、更に、「児童⽣徒のICT 操作スキルと学⼒への効果の関係性」について考える。
2. 学習到達目標
① ICT を活⽤した効果的な指導法について説明できる。
② アンケートやインタビューによる⾏動変容の調査について具体的に説明できる。
3. 研究課題
① ⼀⻫授業におけるメディアの活⽤と、個別指導におけるメディアの活⽤では、その学習形態は異なる。どのような学習が考えられ、学習環境に分けて、メディアの活⽤と学習形態について話し合って下さい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第11講)
5.映像
6.資料
第12講 授業を分析してみよう
1. 何を学ぶか
平成27 年7 ⽉16 ⽇に⽂部科学省より提⾔のあった、「これからの学校教育を担う教員の資質能⼒の向上について(中間まとめ)」において、「教員⼀⼈⼀⼈が、その職は⾼度に専⾨的なものであり、国家社会の活⼒を作り出す重要な職であるとの誇りを持ちつつ、⾼い志で⾃ら研鑽することの重要性が改めて認識されるようになってきた。」とあり、教員の資質能⼒の向上については、教育基本法第9条においても定義づけられており、教員の資質能⼒向上は、教員⾃⾝の責務でもある。それでは、教員の資質能⼒とは何か。様々な議論があるであろうが、 ⼀つには「授業⼒」であるといえる。この授業⼒を磨き上げていくことは、教員の資質能⼒の向上にもつながる。そこで、授業⼒を磨き上げることについて考える。
2. 学習到達目標
① 授業記録の⽅法について説明できる。
② 授業分析の⽅法について具体的に説明できる。
③ マイクロティーチングの⽅法について説明できる。
3. 研究課題
① 授業改善のチェックリストをグループで作成しなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第12講)
5.映像
6.資料
第13講 教授・学習の理論と教育実践
1. 何を学ぶか
⼈が「学ぶ」ということについて、古くからいろいろな領域での研究がなされてきた。教授と学習という概念は、⼀般に教育者の⾏う教授活動と、学習者の⾏う学習活動という意味で理解されている。しかしながら、現実の多くの教育においては、「教授と無関係に成り⽴っている学習」もあれば、「教授が学習を導けない場合」もある。また、「教師がいないで⾏われている学習」であっても「教師からいかなる指⽰も影響も受けずに学習者が学習を⾏う場合」もあれば、「教師から前もっての指⽰のもとに、⼀⼈で学習する場合」もある。さらには、「教師の指⽰に反する⽅法で学習を⾏うような学習者」もいる。このように、現実の教育の場においては、教授と学習は必ずしもひとつの教育過程を構成しているとはいえない場合がある。ここでは、このような教授・学習の理論の変遷について考える。
2. 学習到達目標
① 教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる。
② ⾏動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できること。
3. 研究課題
① ⾏動主義的学習論と認知主義的学習論、構成主義的学習論に対応した教材や課題(問題)を作成し、グループで協議をしなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第13講)
5.映像
第14講 授業⼒の向上
1. 何を学ぶか
これからの社会で求められる⼈材像を踏まえた教育の展開、学校現場の諸課題への対応を図るためには、社会からの尊敬・信頼を受ける教員、思考⼒・判断⼒・表現⼒等を育成する実践的指導⼒を有する教員、困難な課題に同僚と協働し、地域と連携して対応する教員が必要である。また、教職⽣活全体を通じて、実践的指導⼒等を⾼めるとともに、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから、教員が探究⼒を持ち、学び続ける存在であることが不可⽋である。ここでは、これからの教員に求められる資質能⼒について考える。
2. 学習到達目標
① 教育委員会が必要とする資質・能⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を⾼めるための校内研修の⽅法を実践できる。
3. 研究課題
① ⾃分の資質・能⼒について強み、弱みを分析し、グループで弱みを強みに変える校内研修を提案し計画を⽴てなさい。
4.プレゼン資料
教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインプレゼン構成(第14講)
5.映像
第15講 教師の成⻑
1. 何を学ぶか
教師教育は、教員の養成̶採⽤̶研修の段階に⼤きくわけられて論じられている。養成段階は、⼤学での教職のために必要な科⽬を学修する。さらに、教職に就くためには、都道府県等が⾏う採⽤試験に合格しなければならない。さらに、採⽤後は職場や都道府県等で⾏われる教員研修を受けなければならない。採⽤後の研修がこれであるが、研修は退職まで続き、教師の発達を促す重要な役割となる。教師の成⻑はこのように養成・採⽤・研修の段階を包み込む⻑期的な過程として捉えて教員養成について考える。
2. 学習到達目標
① 教師の成⻑を、養成―採⽤―研修の過程で説明できる。
② 教師の技能発達を認知と技術の統合で説明できる。
3. 研究課題
① ⾃分の教育技術を振り返り、課題として何があり、それを乗り越えるためにどうするか、について書いてみよう。
4.映像
Ⅳ レポート課題
課題1 21 世紀に求められる学⼒について論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
課題2 ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
Ⅴ アドバイス
課題1 解説 第3講参照
課題2 解説 第5講参照
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
- 教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン (テキスト)
『教育情報研究』 岐阜女子大学、2017
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)インストラクショナルデザイン
アンケート
【授業】遠隔教育特講
Ⅰ はじめに
「DX(Digital Transformation)」は,2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念である.その内容は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもので,“進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること”と解釈できる.
ただし,教育DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく,デジタル技術による破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」.すなわち,既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものであると捉えられている.
文部科学省も,この教育DX時代に対応して令和2年12月23日に文部科学省デジタル化推進本部から「文部科学省におけるデジタル化推進プラン」を報告している.ここでは,「・・・ポスト・コロナ期のニューノーマルに的確に対応していくために必要なDXに係る取組を早急かつ一体的に推進していかなければならない局面を迎えている.」とし,次のように4つの具体的な方針を掲げている.
①GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想による1人1台端末の活用をはじめとした学校 教育の充実
②大学におけるデジタル活用の推進
③生涯学習・社会教育におけるデジタル化の推進
④教育データの利活用による,個人の学び,教師の指導・支援の充実, EBPM等の推進
特に,①のGIGAスクール構想については,令和3年3月12日の「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)」において,「文部科学省では,Society 5.0 時代を生きる全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するためには,学校現場における ICT の積極的な活用が不可欠との観点から「GIGA スクール構想」を推進しているところであり,関係各位の御尽力により,本年4月から,全国のほとんどの義務教育段階の学校において,児童生徒の「1人1台端末」及び「高速大容量の通信環境」の下での新しい学びが本格的にスタートする見込みとなっている.」と述べている.また,“新たな学び”について,文部科学大臣がメッセージで,「1人1台端末環境は,もはや令和の時代における学校の「スタンダード」であり,特別なことではない.これまでの我が国の 150 年に及ぶ教育実践の蓄積の上に,最先端の ICT 教育を取り入れ,これまでの実践と ICT とのベストミックスを図っていくことにより,これからの学校教育は劇的に変わる.この“新たな学び”の技術革新は,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり,特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるものである.」と子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む教育 ICT 環境の実現を求めている.ここでは,子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
Ⅲ 授業の教育目標
教育DX(Digital Transformation)時代における“新たな学び”とは,教師がデジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,教職員の業務や組織,プロセス,学校文化を革新し,時代に対応した教育を確立することである.
また,学びという側面から考えてみると教育DXの目的は,「個別最適な学びという“新たな学び”の実現」である.20世紀の学習観は,行動主義・認知主義の学習観を採用していた.しかし,21世紀に入り,学習観は「主体的・対話的な深い学びの実現」という構成主義・社会構成主義の学習観に移行した.
この変化から分かるように,教育が「全員に同じ教育」から「個々が持つ能力を最大限活かす教育」に変化している.また,デジタルツールを学びに活用することで,さらなるクリエイティブな学びの実現もDX時代における“新たな学び”の目的とされている.
政府が設置する教育再生実行会議が2021年6月3日に発表した第12次提言は,教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を鮮明に打ち出した.この提言「ポスト・コロナ期における新たな学びの在り方について」の中で「データ駆動型の教育への転換」が必要とし,教育データの利活用や対面授業とオンライン授業のハイブリッド化などを促している.ここでは,これらの教育のDX時代における “新たな学び”の在り方について考える.
学習の進め方
第1講 教育DX時代における新たな学び
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
子供たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びとは何か,その実現のための“新たな学び”とはどのような学びで,従来の学びとどのように異なるのかについて考える.
2.学修到達目標
・教育DX時代の社会の変化について説明できる.
・教育DX時代における新たな学びについて具体例を示して説明できる.
・従来の学びと教育DX時代における“新たな学び”との関係について説明できる.
3.課 題
1.教育DX(Digital Transformation)についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.GIGAスクール構想について,具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第1講)
5.動画資料
6.資料
① デジタル推進化プラン
② GIGA スクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)
③ ポスト・コロナ期における新たな学びの在り方について
④ GIGA スクール構想の実現
第2講 21世紀に求められる学力と学習環境
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
21世紀に求められる学力を育む新たな授業と評価について,背景や実践事例を紹介しながら考える.
2.学修到達目標
・21世紀に求められる学力について説明できる.
・資質・能力を引き出す授業の条件を説明できる.
3.課 題
1.知識基盤社会に求められる学力について説明しなさい.
2.21世紀型スキルについて,具体例を挙げて説明しなさい.
3.評価の方法について具体例を挙げて説明しなさい.
4.変容的評価を行う指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第2講)
5.動画資料
6.資料
① 社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理(報告書)
② 教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン
第3講 主体的・対話的な深い学びの実現
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
現在決まった答えのないグローバルな課題に対して,大人も子供も含めた重層的なコミュニティの中で,ICTを駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り,交換して考えを深め,統合することで解を見出し,その先の課題を見据える社会へと,社会全体が転換しようとしている.ここでは,その情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える.
2.学修到達目標
・主体的・対話的な深い学びについて具体例を挙げて説明できる.
・アクティブ・ラーニングと主体的・対話的な深い学びについて説明できる.
・主体的・対話的な深い学びについて学習理論を示して説明できる.
3.課 題
1.主体的・対話的な深い学びの視点について,具体例を挙げて説明しなさい.
2.学力観の変遷について具体例を挙げて説明しなさい.
3.主体的.対話的な深い学びを実現するための視点を説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第3講)
5.動画資料
6.資料
① 新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ~
第4講 学習目標とその明確化
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
授業の設計の考え方において,1960年代に米国の教育工学研究者のロバート・メーガー (Robert F. Mager)は,次の3つの質問をすることで,授業の目標と評価方法を定めることの重要性について考える.
2.学修到達目標
・ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明できる.
・学習目標とその明確化について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明しなさい.
2.学修目標とその明確化について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第4講)
5.動画資料
第5講 学習目標のデザイン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
授業設計の最初の段階で行う,学習目標の明確化について説明する.明確な学習目標の設定のあり方と,授業設計の検討すべき内容について考える.
2.学修到達目標
・ブルームの教育目標分類について,行動目標による例を取り上げて説明できる.
・ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明できる.
・明確な学習目標について,具体的な単元において設定できる.
3.課 題
1.ブルームの教育目標分類について,行動目標による例を取り上げて説明しなさい.
2.ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.明確な学習目標について,具体的な単元において設定しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第5講)
5.動画資料
第6講 教えて考えさせる授業の展開
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
小学校理科における児童の映像教材を活用した実験支援方法に関する研究を通じて,“教えて考えさせる授業”の展開について考える.
2.学修到達目標
・“教えて考えさせる授業”について順を追って説明できる.
・”教えて考えさせる授業”への展開について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の処理方法について順を追って説明しなさい.
2.多視点映像教材を使った,教えて考えさせる授業への展開について説明しなさい.
3.マルチアングル映像と多視点映像の違いと特徴を説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第6講)
5.動画資料
第7講 協働的な学びのデザイン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
人は社会的な関わりの中で学び,柔軟な知識を育てていく.このベースとなる考えを知識の社会的構成主義モデル(三宅,2011)と呼んでいる.これは人がもともと持っている他人との相互作用を通して自分自身の考えを少しずつ向上させる能力を顕在化し,その試みを繰り返すことによって人は社会的に賢くなっていくという考え方 (Palincsar & Brown ,1984; Miyake,N ,1986)について考える.
2.学修到達目標
・協働学習の考え方を理解し実際に授業デザインできる.
・ワークショップの手法を5種類説明できる.
・ジグソー学習について説明できる.
3.課 題
1.協働学習の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
2.知識構成型ジグソー法による指導案を作成しなさい.
3.大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)を参考に,知識構成型ジグソー法の教材を作成しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第7講)
5.動画資料
第8講 「教えないで学べる」という新たな学び
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
「インストラクショナルデザイン」や「教えないで学べる」学習環境は,キャロルの学校学習の時間モデルの授業の質を高め,授業理解力を助け,学習機会や学習持続力を高めるための手法であり,学習環境でもある.「教えないで学べる」という“新たな学び”を実現するためには,これらの手法や学習環境を整備することによって実現するものであり,学習者の学ぶ意欲を促し,自律的に継続して学ぶ力をつけていくことについて考える.
2.学修到達目標
・「教えないで学べる」とはどのようなことは具体例を挙げて説明できる.
・「教えないで学べる」という新たな学びの設計ができる.
3.課 題
1.J・B・キャロル(Carroll)の学校学習の時間モデルについて説明しなさい.
2.「教えないで学べる」学習環境について具体的に説明しなさい.
3.「教えないで学べる」授業を実現するための手立てを考えなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第8講)
5.動画資料
第9講 遠隔授業のデザイン手法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
未来社会を見据えて育成すべき資質・能力を育むためのこれら3つの「新たな学び」やそれを実現していくための「新たな学びの空間」を形成するためにICTを効果的に活用することが重要である.さらに,ICTを活用することで,チームとしての学校の経営力を高め,教育の質の向上と教員が子供と向き合う時間的・精神的余裕を確保することにつながる.そこで,ここでは「新たな学び」の一つである遠隔授業の教育利用・研究での課題について考える.
2.学修到達目標
・ハイブリット型授業について具体的に説明できる.
・ハイブリット型授業について授業設計ができる.
3.課 題
1.遠隔教育の変遷について説明しなさい.
2.ハイブリット型授業の3つのパターンについて,具体例を挙げて説明しなさい.
3.ハイブリット型授業を具体的に企画しなさい.
4.ハイブリット型授業の課題について具体例を挙げて説明しなさい.
5.遠隔教育の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
6.遠隔協働学習を企画し,実際にやってみなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第9講)
5.動画資料
6.資料
情報の管理と流通 e-Learningの評価
第10講 自律的なオンライン授業の分析と設計
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
教えない授業を実現するためには,自律的な学習者となることが重要であり,自律的な学習者であれば自律的なオンライン授業が実現する.ここでは,自律的なオンライン授業の分析と設計について考える.
2.学修到達目標
・e-Learningという学習について説明できる.
・授業の効果分析について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.自律的なオンライン研修について,具体的に企画しなさい.
2.研修の効果測定について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第10講)
5.動画資料
第11講 新たな学びと教育リソース
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
日本では1980年代から「自己教育力」が推奨され,「自ら学び自ら考える力」が重視されている.このことは,他律的でなく自律的な学習態度の教育が重要になっている.ここでは,この実践的資質・能力の向上と,「反転授業」での活用を想定した教育リソースの開発について考える.
2.学修到達目標
・「反転授業」について具体例を挙げて説明できる.
・「反転授業」について具体的に授業設計ができる.
3.課 題
1.「反転授業」とその効果と可能性について説明しなさい.
2.「反転授業」の学習展開について具体的に説明しなさい.
3.「反転授業」の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第11講)
5.動画資料
第12講 教育活動をデジタルアーカイブする
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
日本の授業のみならず具体的に諸外国の授業をアーカイブ化し,長期保存を考えデジタルアーカイブ手法による関連教育資料の構成について考える.
2.学修到達目標
・授業分析に必要な教育資料の構成について説明できる.
・授業分析手法について具体的に説明できる.
3.課 題
1.授業分析に必要な教育資料の構成について具体例を挙げて説明しなさい.
2.各授業分析手法について具体的に説明しなさい.
3.授業分析を授業アーカイブプロジェクトの例に倣って,行ってみなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第12講)
5.動画資料
第13講 思考力を高めるための学習プロセスの反応分析
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
学習指導要領が目指す育成すべき資質・能力を育むためには,学びの量とともに,質や深まりが重要であり,子供たちが「どのように学ぶのか」つまりは,「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆるアクティブ・ラーニング)」が問われているが,主体的・協働的な学びが重要視されている中で,その評価についてはまだ研究が十分になされていない.ここでは,これらの主体的・協働的な学びにおける授業アーカイブとレスポンスアナライザの連携システムによる評価方法について考える.
2.学修到達目標
・レスポンスアナライザについて説明できる.
・レスポンスアナライザの教育利用について具体例を示して説明できる.
・集団反応曲線と集団の特性との関係について説明できる.
3.課 題
1.レスポンスアナライザについてその効果と可能性について説明しなさい.
2.レスポンスアナライザの教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.集団反応曲線について具体的に記録してきなさい.
4.集団反応曲線と発問・応答の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
5.集団反応曲線と集団の特性の関係について説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第13講)
5.動画資料
第14講 高大連携による地域課題探究型学習
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識循環型社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという岐阜女子大学独自の「知的創造サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備をした.このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,地方創成イノベーションの実現と伝統文化産業の振興ならびに新たな観光資源の発掘を行うことができる.また,本研究を地域のフィールドにおける実証検証をするための研究として捉え,解の見えない地域課題の解決をするための地域資源デジタルアーカイブによる地域活性化を考える.
2.学修到達目標
・地域資源デジタルアーカイブについて説明できる.
・地域資源デジタルアーカイブの教育利用について具体例を示して説明できる.
・地域資源デジタルアーカイブと地域課題探求型学習との関係について説明できる.
3.課 題
1.地域資源デジタルアーカイブについてその効果と可能性について説明しなさい.
2.地域資源デジタルアーカイブの教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.地域資源デジタルアーカイブを具体的に企画しなさい.
4.地域資源デジタルアーカイブと地域課題探求型学習の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第14講)
5.動画資料
第15講 「教える」から「学ぶ」への変革
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
行動主義の代表としてはバラス・スキナー(B.F.Skinner),認知主義の代表としてはピアジェ(J,Piaget)の理論を取り上げ,カリキュラム改革運動期における教授・学習論について考える.さらに,構成主義的学習論から社会的構成主義に至る経緯を考える.
2.学修到達目標
・教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる.
・行動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できる.
3.課 題
1.行動主義的学習論と認知主義的学習論,構成主義的学習論に対応した課題(問題)を作成しなさい.
2.GIGAスクール構想における「教える」から「学ぶ」に転換するための工夫について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
遠隔教育特講_プレゼン(第15講)
5.動画資料
特別講義Ⅰ
特別講義Ⅰ 教育改革とその思想
小玉重夫氏(東京大学大学院教授)
特別講義Ⅱ 諸外国の最新の教育の動向(新井健一氏:株式会社ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所 理事長)
特別講義Ⅲ GIGA スクール構想と学び(山西潤一:日本教育情報化振興会会長、小柳和喜雄:関西大学教授、久世 均:岐阜女子大学教授、横山隆光:岐阜女子大学教授 )
特別講義Ⅳ GIGA スクール構想と学力(山西潤一:日本教育情報化振興会会長、小柳和喜雄:関西大学教授、久世 均:岐阜女子大学教授、横山隆光:岐阜女子大学教授 )
Ⅳ 総合課題
課題1
第1から第8講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2
第9から第15講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1
解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2
解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
遠隔教育特講(最終版)
遠隔教育特講_表紙
遠隔教育特講_ガイドブック
Ⅷ 参考文献
主にテキストの中に記してある文献が参考になります.
【授業】教育方法特講Ⅱ
Ⅰ はじめに
最近の情報技術等の進展に伴い,多様な学習者に対応した多方向から撮影した教材化の開発がなされてきた.また,高品位で大容量の記録も安価で可能になり,また大容量記憶装置や高速ネットワークが急速に進み,映像教材も高品位で大容量の配信が可能になった.従来の学習教材の撮影方法や記録方法は,単方向からの撮影・記録が主なものであり,撮影方向には教材作成者の撮影意図 が多く反映されていた.
今後,多様な学習者に対応した映像の教材化を考えると,これまでの単方向を主として撮影・記録されてきたものから,多様な視点で教材を提示することが必要となる.そこで,本研究は,学習教材を多方向同時撮影することにより多視点映像として教材化し,多視点映像教材の教育利用・研究での課題について考える.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は全15講に分かれて論述している.各講における参考文献並びに関連情報は,横のQRコードで示してある.
各講においてこれらの参考文献などを読み込んで発展的な学修ができるように構成されている.
・各講の最後に研究課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるため
に主体的に研究課題を考えることが重要である.
・多視点映像教材の開発を主体的に探求し,深化させ課題の本質を探り教材作成手法を導き出すための手法を研究する.
Ⅲ 授業の教育目標
学習教材を選定・開発するに当たっては,多視点映像教材の活用により児童生徒が自ら考えることができるようにするなどの教育効果を高めるため,身近な事柄を取り上げたり,児童生徒の興味・関心等を生かしたりするなどの教材作成を行う.なお,学習教材の選定・開発に際しては,児童生徒の発達段階を十分考慮すると共に,その内容を公正な観点から吟味する.さらに,例えば身近な事柄を取り上げる場合など教材の内容によっては,プライバシーの保護等にも十分配慮することを理解する.
第1講 多視点映像教材と複眼的思考法
1.何を学ぶか
学習教材を多方向同時撮影することにより多視点映像として教材化し,多視点映像教材の教育利用・研究での課題について考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材について説明できる.
・多視点映像教材の教育利用について具体例を示して説明できる.
・多視点映像教材と複眼的思考法との関係について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.多視点映像教材の教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.多視点映像教材を具体的に企画しなさい.
4.複眼的思考法と多視点映像教材の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第1講)
5.動画教材
第2講 多視点映像教材と教えて考えさせる授業
1.何を学ぶか
理科実験の学習で,児童が理科の実験方法を身につけるための支援として,児童・教師が簡単に操作でき,必要な部分を繰り返し見ることができる理科実験のデジタルコンテンツを考える.
2.学修到達目標
・小学校の理科における多視点映像教材の活用ついて説明できる.
・理科実験の学習における学習展開について具体的に説明できる.
・教えて考えさせる授業の学習展開について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の理科への活用についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.理科実験の学習における学習展開について具体的に説明しなさい.
3.教えて考えさせる授業の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第2講)
5.動画教材
第3講 表示映像の違いは理解度に影響を与えるか
1.何を学ぶか
高山での遠隔親子教室を例に表示視点の違いが理解度に与える影響に関する調査をしたので,この調査結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・表示映像の違いが理解度に与える影響について説明できる.
・遠隔学習における多視点映像の効果について具体的に説明できる.
3.課 題
1.表示映像の違いが理解度に与える影響について具体例を挙げて説明しなさい.
2.遠隔学習における多視点映像の効果について具体的に説明しなさい.
3.遠隔学習における多視点映像を配信する効果について具体的に説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第3講)
5.動画教材
第4講 多視点映像教材による主体的な学習の支援
1.何を学ぶか
小学校における器械運動の学習で,児童が自己の能力に適した技を選んで主体的に身につけるための支援として,児童・教師が簡単に操作でき,必要な部分を繰り返し見ることができる模範演技のデジタルコンテンツを考える.
2.学修到達目標
・小学校の器械体操における多視点映像教材の効果ついて説明できる.
・主体的な学習と多視点映像教材との関係について説明できる.
3.課 題
1.小学校の器械体操における多視点映像教材の効果ついて具体的に説明しなさい.
2.主体的な学習と多視点映像教材との関係について具体的に説明しなさい.
3.個別最適な学びにおける多視点映像の効果について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第4講)
5.動画教材
第5講 伝統と文化の視点を考える
1.何を学ぶか
地域の伝統文化に関する“知”の伝承サイクルを支援するためのデジタルアーカイブの技術的考察を沖縄の「獅子舞・エイサー」を例にして考える.
2.学修到達目標
・伝統文化教材の作成に関する視点を説明できる.
・伝統文化の多視点映像教材の作成手順を説明できる.
3.課 題
1.伝統文化教材の作成に関する視点を具体的に説明しなさい.
2.伝統文化の多視点映像教材の作成手順を作成しなさい.
3.地域の伝統文化を教材化した指導案を作成しなさい
.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第5講)
5.動画教材
第6講 授業技術の対象化とデジタルアーカイブ
1.何を学ぶか
多視点映像教材を用いた授業や自己学習教材としての利用方法等の総合的な教材化の開発が,多様な学習者に対応した映像の教材化の開発として重要である.そこで,多視点映像の授業技術の対象化について考える.
2.学修到達目標
・授業技術の対象化とは何か説明できる.
・授業実践を多視点で撮影する利点について説明できる.
3.課 題
1.実践的な教師力とは何か説明しなさい.
2.授業実践を多視点で撮影する利点について説明しなさい.
3.授業実践を多視点で撮影する企画書作成しなさい.
4.授業技術の対象化とは何か説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第6講)
5.動画教材
第7講 「伝統」と「文化」の同時代性と創造
1.何を学ぶか
地域の伝統と文化に関する“知”の伝承サイクルを支援するために,沖縄の伝統と文化に関して,我が国の政策を整理し,「伝統と文化」を教育に取り入れる必要性について考える.
2.学修到達目標
・学校教育における伝統と文化について説明できる.
・伝統と文化教育の歴史について説明できる.
3.課 題
1.学校教育における伝統と文化について具体的に説明しなさい.
2.伝統と文化教育の歴史についてについて具体例を挙げながら説明しなさい.
3.学校で「伝統と文化」の教育を行うために必要と思われる教材を考えて一覧表を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第7講)
5.動画教材
第8講 「できる授業」と「わかる授業」
1.何を学ぶか
体育(本研究では器械運動)の指導で活用する上で大切なことは,児童に「お手本」を示す際,技能のポイントなどがわかりやすい資料(映像)を提示できるか,児童が運動に対してより理解を深め,仲間とともに課題解決に向けて主体的に取り組んでいくときに,ICT を活用できるような環境を整えて指導ができるかということを考える.
2.学修到達目標
・体育教科における ICT 活用について具体的な事例を挙げて説明できる.
・体育における教材について企画し設計できる.
3.課 題
1.体育教科における ICT 活用について具体的な事例を挙げて説明しなさい.
2.体育における教材について企画し設計しなさい.
3.自分で自分のフォームを撮影し,主体的に学ぶという指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第8講)
5.動画教材
第9講 複眼的思考法により主体的な学習を伸ばす
1.何を学ぶか
見たい視点を自分で選択でき,横や正面等自分では客観視することのできない視点からの映像を見ることで,跳び方のイメージを持つことが容易になり,主体的に跳び箱学習を楽しむことができるようになることについて考える.
2.学修到達目標
・主体的な学習態度を育てることについて具体的に例を挙げて説明できる.
・主体的な学習態度を育成するために,どのように多視点教材を活用すればよいか説明できる.
3.課 題
1.主体的な学習態度を育てることについて具体的に例を挙げて説明しなさい.
2.主体的な学習態度を育成するために,どのように多視点教材を活用すればよいか説明しなさい.
3.主体的な学習態度を育成するための教材活用事例を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第9講)
5.動画教材
第10講 教えて考えさせる授業の展開
1.何を学ぶか
小学校理科における児童の多視点映像教材を活用した実験支援方法に関する研究を通じて,教えて考えさせる授業の展開について考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材の処理方法について順を追って説明できる.
・多視点映像教材を使った“教えて考えさせる授業”への展開について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の処理方法について順を追って説明しなさい.
2.多視点映像教材を使った教えて考えさせる授業への展開について説明しなさい.
3.マルチアングル映像と多視点映像の違いと特徴を説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第10講)
5.動画教材
第11講 単視点映像と多視点映像の違いを考える
1.何を学ぶか
小学校教育においては,授業は担任の教師が全ての科目を担当している.つまり教師の専門外の科目でも教えなければならない.専門家でなくても授業を円滑に進めることが大変重視される.そこで誰でも簡単に操作ができ,尚且つ授業を進めるうえでの手助けとなる書写の授業のための教材開発を考える.
2.学修到達目標
・書写教育における多視点映像の必要性について説明できる.
・書写教育においてどこからの視点が効果的か説明できる.
3.課 題
1.書写教育における多視点映像の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
2.書写教育においてどこからの視点が効果的かを具体的に説明しなさい.
3.書写教育における多視点映像教材の企画書を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第11講)
5.動画教材
第12講 授業をデジタルアーカイブする
1.何を学ぶか
日本の授業のみならず具体的に諸外国の授業をアーカイブ化し,長期保存を考えデジタルアーカイブ手法による関連教育資料の構成について考える.
2.学修到達目標
・授業分析に必要な教育資料の構成について説明できる.
・授業分析手法について具体的に説明できる.
3.課 題
1.授業分析に必要な教育資料の構成について具体例を挙げて説明しなさい.
2.授業分析手法について具体的に説明しなさい.
3.英国の授業分析を右の授業アーカイブプロジェクトの例に倣って,行ってみなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第12講)
5.動画教材
第13講 多視点映像教材の流通を考える
1.何を学ぶか
多様な学習者に対応した映像の教材化を考えると,これまでの単方向を主として撮影・記録されてきたものから,多様な視点で教材を提示・流通することを考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材の教育利用とその効果について説明できる.
・単視点と多視点の映像教材の違いについて説明できる.
・多視点映像教材の有効的な流通方法について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の教育利用とその効果について具体的な例を挙げて説明しなさい.
2.単視点と多視点を比較し映像教材の違いについて説明しなさい.
3.多視点映像教材とするとよい教育の対象を説明し,多視点映像教材の企画書を作成しなさい.
4.多視点映像教材の有効的な流通方法について説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第13講)
5.動画教材
第14講 遠隔学習における多視点映像の評価法
1.何を学ぶか
高山での遠隔親子教室を例にアンケートを実施したので,このアンケート結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・遠隔学習において動く紙おもちゃのどの視点を配信するとよいか,その学習シーンを想定して説明できる.
・目的に対応したアンケート調査用紙を作成できる.
3.課 題
1.遠隔学習において動く紙おもちゃのどの視点を配信するとよいか,その学習シーンを想定して設計しなさい.
2.遠隔学習における学習効果のアンケート調査用紙を作成しなさい.
3.遠隔学習において教師はどのようなことに配慮して指導することが必要か具体的に説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第14講)
5.動画教材
第15講 多視点映像で変える授業
1.何を学ぶか
岐阜と沖縄の親子教室で,親子を対象に意識調査を実施したので,この意識調査の結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・意識調査の必要性について説明できる.
・子どもを対象にした調査の留意点について説明できる.
3.課 題
1.意識調査の必要性について具体的に説明しなさい.
2.子どもを対象にした調査の留意点について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第15講)
5.動画教材
第16講 コミュニケーションを可視化する
1.何を学ぶか
このような活動を教育として適用するためには,活動についての親子の状況を調査し,親子の共同学習として,どのような指導方法,展開をさせるか検討する必要がある.そこで,この「動く紙おもちゃ作り」の教材化と意識の調査を考える.
2.学修到達目標
・コミュニケーションの定義について説明できる.
・コミュニケーションを促す講座の設計について説明できる.
3.課 題
1.コミュニケーションの定義について説明しなさい.
2.コミュニケーションを促す講座を設計しなさい.
3.コミュニケーションに関する独自の調査用紙を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第16講)
5.動画教材
第17講 コミュニケーションを分析する
1.何を学ぶか
講師の提示と親子のコミュニケーションによる直接・間接的影響について量的分析を考える.
2.学修到達目標
・フランダースの相互分析カテゴリーシステムについて説明できる.
・コミュニケーションを可視化する方法について説明できる.
3.課 題
1.フランダースの相互分析カテゴリーシステムについて説明しなさい.
2.コミュニケーションを可視化する方法について具体的に説明しなさい.
3.コミュニケーション分析を実際に行ってみなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第17講)
5.動画教材
Ⅳ 総合課題
課題1 第1から第8講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2 第9から第17講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅵ 教材リサーチⅡガイドブック
教育方法特講Ⅱガイドブック20211026
Ⅶ テキスト
教育方法特講Ⅱ_テキスト20211104
Ⅷ 参考文献
主にテキストの中に記してある文献が参考になります.
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
1.タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)(PDF版)
2.タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)(word版)
【講義】教育メディア特講
Ⅰ はじめに
メディア(Media)とは、mediumの複数形でラテン語が起源である。このmediumは、中間とか媒体という意味であるため、一般に情報の記録、伝達、保管などに用いられる媒体や装置のことの他に、コミュニケーション媒体や情報媒体等と訳されることもある。このためにメディアを、「記録・保管のための媒体」と「コミュニケーションのための媒体」とに大別することができるが、両者には重なりがある。例えばCD、手紙、電話、テレビなどは音楽、文章、声や映像などの情報を伝達するのに用いられるが、コミュニケーションの媒介としても存在しているように複合メディアとしてとらえている。そのために、情報がある人から別の人へ伝達される際には、多くはその間に何らかのメディアが介在している。メディア教育は、「メディア作品の分析と制作を通じ、批判力および創造力を体系的に発達させる教育」と「メディアそのものを教育の内容とし、メディアについての理解とその能力の育成を目指す。」の二つの解釈がある。このメディア教育は、近年「メディアリテラシー」として、情報教育の中でも多く用いられるようになった。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
教育におけるメディアの発達、効果研究を概観し、メディアのもたらす学習環境と学習コミュニティの形成、教育コミュニケーションにおける教育情報表現について学び、教育用コンテンツの制作、流通、教材の設計と評価、メディアと著作権の問題に言及する。一方、新しい情報表現としての仮想空間の教育的効果、e-Learningなど新しい遠隔教育システムについても学習する。
Ⅲ 授業の教育目標
教育におけるメディアの発達、効果研究を概観し、メディアのもたらす学習環境と学習コミュニティの形成、教育コミュニケーションにおける教育情報表現について学び、教育用コンテンツの制作、流通、教材の設計と評価、メディアと著作権の問題に言及する。一方、新しい情報表現としての仮想空間の教育的効果、教育メディアを用いた新しい子どものための文化システムについても学習する。
(1)教育における文化情報メディアの役割・機能について学び、教育環境、学習環境を構成するメディア技術を体系的に理解する。
(2)学習資源とメディア教材を概観し、メディアのもたらす学習環境と学習コミュニティの形成、教育コミュニケーションにおける教育情報表現について学ぶ。
(3)e-Learningをベースにした個人の学習環境、文化情報メディアによる新しい学校環境などに関する基本知識を習得する。
(4)メディアと著作権について、個人情報と情報セキュリティとともに理解する。
(5)新しい情報表現としての仮想空間の教育的効果、教育メディアを用いた新しい子供のための文化システムについても学習する。
テーマ1 メディアと情報
1.何を学ぶか
小中高校などの初等教育での情報教育の重要性は、以前からも認識されており、「ミレミアム・プロジェクト」などの国の政策や民間の支援などが行なわれてきた。これらの情報教育の変遷と「教育の情報化」の目的を理解する。
2.学習到達目標
①「情報教育」と「教育の情報化」の違いについて論述できる。
② 教育における情報化政策について説明できる。
3.研究課題
① 高校まででかなりの情報教育が行なわれるようになると、大学ではどのような情報教育をする(大学生にはどのような知識能力が求められる)べきか。
② 大学での授業の方法や大学の情報化について、学生の立場から期待することを列挙すること。
③ インターネットの特徴とメディアとしてのインターネットの可能性を述べよ。
④ メディアにおけるアナログとデジタルの特徴と、社会全体がデジタル化されていく理由について述べよ。
テーマ2 メディア教育と教材
1.何を学ぶか
メディア教育は、「メディア作品の分析と制作を通じ、批判力および創造力を体系的に発達させる教育」と「メディアそのものを教育の内容とし、メディアについての理解とその能力の育成を目指す。」の二つの解釈がある。このメディア教育は、近年「メディアリテラシー」として、情報教育の中でも多く用いられるようになった。ここでは、メディア教育についてメディア比較研究につ
いて理解する。
2.学習到達目標
① メディア比較研究の歴史的な経緯について説明できる。
② 視聴覚教育におけるメディアの役割について考察できる。
3.研究課題
① 視聴覚教材の特性を具体的な例を挙げて述べなさい。
② 自作教材を作成する意義について例を挙げて述べなさい。
テーマ3 学習資源とメディア教材
1.何を学ぶか
今後、高度に情報化された社会を実現していくに当たり、効果的な人材育成を行なうための基盤作りが最重要課題であり、学校教育・社会人教育の情報化のために必要なコンテンツを流通させるとともに、先進的なプラットフォーム等を開発・提供することが求められている。また、学習指導要領においては、インターネットの検索機能やITを活用した「調べ学習」等を通じ、学校内に留ま
ることなく地域社会や経済社会、さらには世界中のコンテンツを利用した自らの好奇心に基づいた創造的な学習形態を確立していくことが求められているが、地域社会や産業活動等を紹介する学校向けのコンテンツは非常に不足しており、また、地域社会や企業等から学校への貢献についても充分に行われていないのが現状である。従来実施されてきたITを活用した授業実践を含む事業にお
いては、授業実践事例の共有が効率良く行なえず、ITを活用した授業を実践する人材の育成が遅れている。ここでは、これらの学習資源とメディア教材について具体的な事例を元に考察する。
2.学習到達目標
① メディアの特性を教材に生かしているかを評価できること。
② メディア教材を評価して、学習活動で活用できる。
3.研究課題
① 地域資料教材を使った授業を計画しなさい。
② 静止画教材と動画教材を使った授業を計画しなさい。
テーマ4 e-Learningと学習
1.何を学ぶか
e-Learningとは、情報技術であるコミュニケーション・ネットワークなどを活用した主体的な学習である。コンテンツは学習目的にしたがって編集され、学習者とコンテンツ提供者との間に必要に応じてインタラクティブ性が確保されている。このインタラクティブ性とは、学習者が自らの意志で参加する機会が与えられ、人またはコンピュータから学習を進めていくうえでの適切なインス
トラクションが適時与えられることを指す。このe-Learningによる学習支援の方法とその実践について理解すると共に、Webのアクセスビリティについて理解する。
2.学習到達目標
① e-Learningによる学習支援の方法について説明でき、実践して、学習活動で活用できる。
② ウェブ・アクセシビリティについて理解したWeb教材を構築できる。
3.研究課題
① 総務省「ウェブ・アクセシビリティ実証実験」の結果報告を読み、高齢者や障害者がどのようなことで戸惑うか、それを解決するにはどのようなことに留意する必要があるかを調べなさい。
② 目隠しをしてWebページを閲覧しなさい。他の人に読み上げてもらったり、ガイドしてもらったりして、①を実感して報告しなさい。自分が作成公開しているページ(それがなければ地方自治体のページ)を対象にする。
③ インターネットでは、アクセシビリティに考慮したHTMLの書き方などを説明したサイトが多くあります。そのうち、推奨するサイトとその特徴を報告しなさい。
④ ユーザビリティやアクセシビリティの観点から、Webページを評価してランキングした結果を掲載しているページを探しなさい。特に、その評価項目として何を用いているかを調べなさい。
テーマ5 メディアと著作権
1.何を学ぶか
文化の発展のためには、著作をした人の権利を保証することにより、著作をすることを支援すること、他人の著作を円滑に利用できるようにすることが必要である。それを法律にしたのが著作権法である。ここでは、これらの著作権についての概念を理解するとともに、プライバシーや個人情報・セキュリティについて理解する。
2.学習到達目標
① 著作権について理解し、教育における著作権の扱いについて論述できる。
② プライバシーや個人情報・セキュリティについて理解し、教育における課題を考察できる。
3.研究課題
① 個人情報を入力させているサイトを1つ例にとり、入力項目のうち、このサイトを利用するために必要な項目、不必要な項目を分けて列挙し、そう考えて理由を述べよ。
② 個人情報を入力させているいくつかのサイトについて、個人情報保護に関するページがどのように記載されているかを確認せよ。
③ インターネットの検索エンジンなどにより、個人情報漏洩の事例をいくつか探し、それが本文の「個人情報取扱事業者の義務等」でのどれが不十分だったことにより発生したのかを示せ。
④ 経済産業省「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象としたガイドラインの策定」平成16年6月では、いろいろと事例が掲載されている。これを読んで、興味を持った事例をいくつかあげて、どうしてそれが個人情報あるいは個人情報データベース等であるのか、そうでないのかの理由を述べよ。
(http://www.meti.go.jp/feedback/downloadfiles/i40615hj.pdf)
⑤Webで「コンピュータ不正アクセス対策基準」のシステムユーザ基準の個所を調べ、あなたが「なぜこれが必要なのか」と思う事項があれば、それを列挙して、みんなで考えよ。
⑥あなたが不正アクセス対策の提案をしたところ、A氏からは「当社には他人のほしがるような情報はないので、不正アクセスがあってもかまわない」、B氏からは「どんなに対策をしても、優秀なハッカーにはかなわないので、やるだけ無駄だ」といわれた。あなたはこれらの意見にどう反論するか。
テーマ6 ネットワーク社会
1.何を学ぶか
世の中がネットワーク社会にシフトしている。社会教育においてもその影の部分における問題として、デジタル・デバイド(情報格差)が問題となり、平成12年7月22日の沖縄で行われたサミットにおける「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章」においても、この問題を取り上げられている。ここでは高度情報通信ネットワーク社会の特徴と参画する態度について理解する。
2.学習到達目標
① ネットワーク社会の特徴を論述できる。
② ネットワーク社会に参画するということはどういうことであるのか理解できる。
3.研究課題
① ネットワーク社会の特徴と参画するために必要なことを論述する。
Ⅳ レポート課題
課題1 メディアの特性を、紙、インターネット(通信)、体験や活動に分けて説明しなさい。(A4用紙1枚程度)
課題2 学校における著作権問題を調べて、課題について説明しなさい。(A4用紙1枚程度)
Ⅴ アドバイス
課題1解説 ・これからの教室の学習環境には、様々なメディア機器(電子黒板、1人1台のタブレットPC等)が導入されてくる。そこで、様々なメディア(紙・通信・体験)についての特性を調べて、課題を整理する。
課題2解説 ・著作権問題について、学校における具体的な事例を調べ、問題点を整理し、ネットワーク社会における学校教育の課題を整理する。
評価の観点(ルーブリック)
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
久世均著 『教育メディア特講』 岐阜女子大学、2008
教育メディア特講テキスト
教育メディア特講(資料付き)
教育メディア特講(科目別ガイドブック)評価ルーブリック
Ⅷ 参考文献
吉田喜彦著 『Webデザイン』 実教出版、2006
長尾真著 『マルチメディア情報学の基礎』 岩波書店、1999
M.マクルーハン著 『マクルーハン理論』 平凡社ライブラリー、2005
後藤忠彦著 『デジタル・アーカイブ要覧』 教育評論社、2007
評価の観点(ルーブリック)
課題1 メディアの特性を、紙、インターネット(通信)、体験や活動に分けて説明しなさい。(A4用紙1枚程度)
・これからの教室の学習環境には、様々なメディア機器(電子黒板、1人1台のタブレットPC等)が導入されてくる。そこで、様々なメディア(紙・通信・体験)についての特性を調べて、課題を整理する。
不可 | 可 | 良 | 優 | 秀 |
○メディアの特性について概要を述べている
|
○メディアの特性について概要を述べている
○4つのメディアに分けてメディアの特性を表現している。 |
○メディアの特性について概要を述べている
○4つのメディアに分けてメディアの特性を表現している。 ・○4つのメディアに分けてメディアの特性を具体的な例を上げて調べている。 |
○メディアの特性について概要を述べている
○4つのメディアに分けてメディアの特性を表現している。 ・○4つのメディアに分けてメディアの特性を具体的な例を上げて調べている。 ○4つのメディアに分けてメディアの特性を具体的な例を上げて調べて、自分なりにまとめて述べている。
|
○メディアの特性について概要を述べている
○4つのメディアに分けてメディアの特性を表現している。 ・○4つのメディアに分けてメディアの特性を具体的な例を上げて調べている。 ○4つのメディアに分けてメディアの特性を具体的な例を上げて調べて、自分なりにまとめて述べている。 ○新しいICTの学習環境と対応して、4つのメディアをどのように組み合わせると教育効果があると述べている。 |
課題2 学校における著作権問題を調べて、課題について説明しなさい。(A4用紙1枚程度)
・著作権問題について、学校における具体的な事例を調べ、問題点を整理し、ネットワーク社会における学校教育の課題を整理する。
不可 | 可 | 良 | 優 | 秀 |
○著作権法について記述してある。
|
○著作権法について記述してある。
○著作権法35条についてまとめている。 |
○著作権法について記述してある。
○著作権法35条についてまとめている。 ○著作権法35条における課題について記述されている。
|
○著作権法について記述してある。
○著作権法35条についてまとめている。 ○著作権法35条における課題について記述されている。 ○著作権法35条について、学校における著作権の課題を整理して、具体的な例を上げて記述している。 |
○著作権法について記述してある。
○著作権法35条についてまとめている。 ○著作権法35条における課題について記述されている。 ○著作権法35条について、学校における著作権の課題を整理して、具体的な例を上げて記述している。 ○著作権法35条を引き合いに出して、授業でデジタル教材を活用する場合に課題を整理している。 ○著作権法の課題と今後の方向について記述している。 |
【授業】デジタルアーカイブ特講Ⅱ
Ⅰ はじめに
デジタルアーカイブは,さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである.このデジタルアーカイブは,わが国の知識基盤社会を支えるものであり,デジタルアーカイブ学会でも,デジタルアーカイブ立国に向けて「デジタルアーカイブ基盤基本法(仮称)」などの法整備への政策提言を積極的に行っている.今後,知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている.ここでは,デジタルアーキビストの学術的な基礎として,デジタルアーカイブに関する歴史から我が国の動向並びにデジタルアーカイブの課題を学ぶ.また,この内容は,今後の学修におけるデジタルアーキビストの学びの地図となる.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は全15講に分かれて論述している.各講における参考文献並びに関連情報は,横のQRコードで示してある.各講においてこれらの参考文献などを読み込んで発展的な学修ができるように構成されている.
・各講の最後に研究課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるために主体的に研究課題を考えることが重要である.
・解が見えない地域課題を主体的に探求し,深化させ課題の本質を探り実践的な解決方法を導き出すための手法を研究する.
Ⅲ 授業の教育目標
・日本の目指す知識基盤社会を支えるのはデジタルアーカイブといっても過言ではありません.初期の文化遺産を中心とした展示やウェブ公開など提示中心から,いかに社会の全領域で知的生産やナレッジマネジメントに活用できるインターフェイス,横断的ネットワークなどの環境を確保するかの段階に入ったといえます.
・ここでは,15のテーマに基づいて,それぞれのテーマの中に研究課題を設定し,また,各講に学修到達目標を設定し,個々に学修の到達を確認することができる.
第1講 デジタルアーカイブの歴史とその課題
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの日本にける歴史と本学のデジタルアーカイブの変遷を比較しながら,どのような点が明らかになり,新たにどのような課題が創出されたのかについて考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの歴史について説明できる.
・知識基盤社会におけるデジタルアーカイブの必要性について事例をあげて説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの歴史をまとめて,何が変化して何が課題になっているかを話し合ってみなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第1講)
5.映像
6.資料
デジタルアーカイブ年表(岐阜女子大学)
第2講 デジタルアーカイブプロセス
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
2000年代における第1次のデジタルアーカイブブームの現在の状況を見て,第1次のデジタルアーカイブブーム(デジタルアーカイブ1.0)のプロセスから何が問題で,今後何をどのように改善することが持続可能なデジタルアーカイブ(デジタルアーカイブ2.0)を開発するために必要であるかについて考える.
2.学修到達目標
・「Wonder沖縄」におけるWeb用コンテンツがなぜ消滅したかについて説明できる.
3.研究課題
・「Wonder沖縄」のアーカイブプロセスでは何が足りなかったのか.どうすれば持続可能になったのかを考えなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第2講)
5.映像
第3講 知のデジタルアーカイブ
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知のデジタルアーカイブに関する研究会により知のデジタルアーカイブ ―社会の知識インフラの拡充に向けて―(2012年3月30日)という提言がされ,システム(技術),人材育成,災害の3テーマに焦点を当てたグループを構成して議論を行った.こうした議論から,デジタルアーカイブのための技術,知識,ノウハウの共有の重要性,デジタル・ネットワーク社会に適合したデジタルアーカイブ連携の必要性について考える.
2.学修到達目標
・知のデジタルアーカイブの提言について説明できる.
・MLA連携などデジタルアーカイブの連携の必要性について説明できる.
3.研究課題
・知のデジタルアーカイブの提言を受けて博物館・図書館・公文書館の現状と課題について論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第3講)
5.映像
6.資料
知のデジタルアーカイブ
第4講 デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン(2012年3月26日)が総務省から提言されている.ここでは,図書・出版物,公文書,美術品・博物品,歴史資料等公共的な知 的資産の総デジタル化を進め,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進するため,地域の知の記録組織で活用することを提言している.ここでは,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進することを考える.
2.学修到達目標
・知の地域づくりの推進するために必要なことは何かを説明できる.
・デジタルアーカイブの構築・連携において大切なことを説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドラインをよく読んで,それぞれの組織のデジタルアーカイブ構築・連携の手引きを完成しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第4講)
5.映像
6.資料
デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン
第5講 知の増殖型サイクルの情報処理システムの構成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルを開発した.ここではこのシステムについて理解する.このためには,知の増殖型サイクルにおけるデータ分析・解析・加工処理システムなどのスキルやその考え方を知る必要がある.ここでは,これらのデータ処理における留意事項について解説する.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルについて説明できる.
3.研究課題
・知の増殖型サイクルにおけるメタデータの項目を作成してみなさい.なお,その際にDublin Core(ダブリン・コア)に配慮すること.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第5講)
5.映像
第6講 知の増殖型サイクルの知的処理と流通システム
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成は,資料の保管,検索,分析処理とその結果の利用という閉じたサイクルとして成立つものである.そのためには,利用の計画,活用,評価の面のみではなく,知の増殖型サイクルで最も重要なデジタルアーカイブの保管,メタデータ,検索,抽出,提示,分析,解析処理についても研究する必要がある.また,このデジタルアーカイブを用いた知の増殖型サイクルでは,利用目的に対し,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかが重要である.ここでは,知の増殖型サイクルが何回もサイクルを繰り返すことにより,新しい知が各サイクルに追加され,より精度の良いデータの利用が可能になる.ここでは,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかという視点から,横断検索やサイクル処理を支えるメタデータ,また,知的処理に対応した著作権,プライバシーの問題及び検索結果の選定・提供における課題を考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成を説明できる.
3.研究課題
・「沖縄おぅらい」における知の増殖型サイクルはどのように構成されるか述べなさい.
・沖縄の学力向上における知の増殖型サイクルとは,どのようなサイクルになるか論じなさい.(参考:沖縄における教育資料デジタルアーカイブを活用した学力向上について)
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第6講)
5.映像
第7講 知の増殖型サイクルを支えるメタデータの構成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知の増殖型サイクルでは,新たな知を創造することが重要であり,また,その新たな知をデジタルアーカイブする閉じたサイクルである.そのために,新たにメタデータをその新たな地に対応した項目を追加し,ここでダイナミックなメタデータを提案する.
2.学修到達目標
・地域資源のメタデータの構成について説明できる.
3.研究課題
・地域資源のデジタルアーカイブのメタ情報の項目を考えてみなさい.そのうえで,それらの項目がなぜ必要なのか利用を考えて論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第7講)
5.映像
第8講 我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
平成 29 年4月に「我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会より提言された.この新たな提言で新たに追加されたデジタルアーカイブの考え方について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブ社会について説明できる.
・オープンなデジタルコンテンツの必要性について具体例を挙げて説明できる.
3.研究課題
・デジタルコンテンツのオープン化と著作権はどうしても利害が衝突する.デジタルアーカイブ社会においてオープンデータ化はなぜ必要で,そのために著作権をどのように改正する必要があるかについて論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第8講)
5.映像
6.資料
我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性
第9講 デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
平成29年4月に「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会にてまとめられた.ここでは,博物館・美術館,図書館,文書館といった文化的施設に加えて,大学・研究機関,企業,市民団体,官公庁・地方公共団体などの有形・無形の様々なコンテンツを保有する機関・団体等を対象に,業務にもサービスにも役立つデジタル情報資源の整備・運用方法について報告している.ここでは,各機関におけるデジタルアーカイブの構築・共有・活用について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの構築・提供ついて説明できる.
・アーカイブ機関が無理なくデータを整備・共有・連携できる共通基盤(プラットフォーム)の構築について,その機能を具体的に説明できる.
3.研究課題
・活用する場合は,メタデータを共有することで,様々なアプリの提供,付加価値の追加等を通じて,活用を行い,その成果物を保存・共有領域に還元し,再資源化することも期待されると報告されている.そのためには,具体的に何をすることが必要になるか述べよ.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第9講)
5.映像
6.資料
デジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会
3か年総括報告書 我が国が目指すデジタルアーカイブ社会の実現に向けて
第10講 知的財産推進計画に見るデジタルアーカイブ
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知的財産戦略本部より知的財産推進計画2017(2017年5月)が発表され,そこには,「我が国の知や文化資源を結集し,世界中に発信しながら新たな価値創造につなげることができるデジタルアーカイブの構築とその利活用について,計画的に推進していくことが必要である」と,デジタルアーカイブに関する記述が増加していることを見ることができる.知的財産推進計画の目的と今後の方向性について考える.
2.学修到達目標
・知的財産推進計画を理解し説明できる.
・新たな価値創造とデジタルアーカイブの構築について具体例を出して説明できる.
3.研究課題
・知的財産推進計画とデジタルアーカイブとの関係を明確にして,知的財産計画の目的について論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第10講)
5.映像
6.資料
知的財産推進計画
第11講 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点の形成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成をする.このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,伝統文化産業の振興と新たな観光資源の発掘並びにデジタルアーカイブ研究による地方創成イノベーションの創出を行う.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブと地域課題解決について説明できる.
・地方創成イノベーションの創出について具体的に説明できる.
3.研究課題
・飛騨高山匠の技デジタルアーカイブにより,地域の文化産業を振興するための方策を3つ挙げて論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第11講)
5.映像
6.資料
地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点の形成
第12講 知の拠点形成のための基盤整備
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという岐阜女子大学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備が必要となる.このことにより,地方創成イノベーションの実現と伝統文化産業の振興並びに新たな観光資源の発掘を行うことができることを考える.
2.学修到達目標
・知識基盤社会とデジタルアーカイブの関係について説明できる.
・知識循環型社会について具体的に説明できる.
・地域課題の解決とデジタルアーカイブについて説明できる.
3.研究課題
・大学が地域の知の拠点形成のための基盤整備に必要な要素は何か論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第12講)
5.映像
6.資料
地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点の形成
第13講 デジタルアーカイブにおける新たな評価法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
20017年10月,Europeanaより評価方法の新規開発プロジェクトの成果物として“Impact Playbook: For Museums, Libraries, Archives and Galleries”(以下プレイブック)の第一部が公開された.プレイブックは「インパクト評価」を実施するための手順・方法をまとめた一種のガイドラインであり,Europeanaだけでなく,その参加機関である欧州各域の図書館・博物館・公文書館・ギャラリー等が各々のデジタルアーカイブ関連事業の持つ多様な価値を各々の見方で評価し,かつその評価結果を他者と共有できるようにするための「共通言語」としての役割を果たすという.筑波大学大学院図書館情報メディア研究科・西川開氏によると,インパクト評価はもともと環境分野で発達した評価方法であると言われており,その後公衆衛生や社会福祉事業などの諸領域にも普及・発展してきた.近年では公的助成金の減額等を背景として図書館を始めとする文化機関においても自組織の持続可能な発展に資する手段として注目を集めている.
2.学修到達目標
・新たな評価法であるインパクト評価について具体的に説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの新しい評価について論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第13講)
5.映像
第14講 デジタルアーカイブを活用した地域課題の解決手法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
飛騨高山匠の技の歴史は古く,古代の律令制度下では,匠丁(木工技術者)として徴用され,多くの神社仏閣の建立に関わり,平城京・平安京の造営においても活躍したと伝えられている.しかし,現在の匠の技術や製品についても,これら伝統文化産業における後継者の問題や海外への展開,地域アイデンティティの復活など匠の技を取り巻く解が見えない課題が山積している.ここでは,知識基盤社会におけるデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,これらの地域課題に実践的な解決方法を確立するために,「知的創造サイクル」をデジタルアーカイブに応用して飛騨高山の匠の技に関する総合的な地域文化の創造を進めるデジタルアーカイブの新たな評価指標ついて考える.
2.学修到達目標
・「知の増殖型サイクル」の手法による地域課題に実践的な解決方法を確立することについて説明できる.
3.研究課題
・住民R(Resident)-地域資源L(Local Resources)認知度診断表から何がわかるか論述してみなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第14講)
5.映像
第15講 首里城の復元とデジタルアーカイブの可能性
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
鎌倉芳太郎は沖縄で撮影したガラス乾板を自身の避難先である防空壕で保管していたという.これら保存されていた資料が,首里城復元において大きな役割を果たしたという事実は,「知の増殖型サイクル」の考え方に当てはめることができる.首里城復元の際に利用された鎌倉資料は原資料であり,デジタルアーカイブではない.しかし,「知の増殖型サイクル」に適応することで,これからのデジタルアーカイブの在り方が見えてくる.
2.学修到達目標
・鎌倉芳太郎と首里城復元の過程で説明できる.
・デジタルアーカイブという視点から鎌倉芳太郎資料集について説明できる.
3.研究課題
・首里城の復元に鎌倉芳太郎の資料が重要であったかについてデジタルアーカイブの視点で論述しなさい.
4.プレゼン資料
デジタルアーカイブ特講(第15講)
5.映像
資料
Ⅳ 課題
課題1 テーマ1からテーマ8の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2 テーマ9からテーマ15の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅶ テキスト
1.学修ガイドブック
デジタルアーカイブ特講Ⅱガイドブック
久世均著:情報の管理と流通 岐阜女子大学 2020
1.表紙&奥付
2.目次
3.デジタルアーカイブ特講
4.デジタルアーカイブ特講Ⅱテキスト
年表
4.年表
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)情報の管理と流通
映像資料
資料
特別講演「首里城の復元と沖縄の文化」